全国で子どもが川でおぼれて亡くなる事故が相次いでいます。子どもたちの命を守るために事前に知っておくべき対処法などについて取材しました。

川や海で遊ぶことが増える夏休み。この時期に気をつけたいのが水の事故です。今月、愛媛県の川では小学生の女の子が溺れて死亡、鹿児島県でも男子中学生が川底で発見されました。長崎海上保安部によると長崎県内では去年、82人が水難事故に遭い44人が死亡または行方不明となりました。

溺れたときの対処法

指導員「命を守るには浮くしかないです」
水難事故から命を守るために何ができるのか。日本赤十字社による体験授業が長崎市の小学校で開かれました。

指導員「大の字で浮いたほうが浮きやすいです。なのでしっかり空気を肺にためて浮きます…おー」

溺れた時には「泳がず、歩かず、浮いて待て」
力を抜いてリラックス。子どもたちも挑戦してみました。

児童「せーの」指導員「浮いてきた。いったいった」

あごをあげて体を安定させます。
児童:「浮いたら意外と楽になりました」

もし溺れた人を見つけたときには・・・

指導員:「まずは大人の人を呼ばないといけない。誰か助けにきてください!!」そして、ペットボトルやレジ袋が、溺れている人を助ける《浮き具》になります。

ペットボトル・レジ袋でどうやって助ける?

ペットボトルは風に煽られないように、水や砂で重くして溺れた人が受け取りやすいように正面を目がけて投げます。

ごみ袋やレジ袋があれば、水面をたたいて空気をためると《浮き具》になります。子どもでもできる浮き具です。

「せーの」「いくよー」

へそあたりで抱えると体全体を浮かせることができます。

児童「近くの人がおぼれたりとかしてたらペットボトルを投げたりとか実践してみたい」
児童「水辺の森公園とか近くにあるからビニール袋はいつも持っておきたいなと思いました」

長崎県赤十字血液センター事業部献血推進課 伊藤良平主事:
助けに行った人が実際溺れる事故はかなり多いので、溺れている人を見つけても泳げるからと過信せずに『119番』海だったら『118番』に通報を必ずして、近くにあるペットボトルなどを使って助けてもらえればと思います」

「子ども版これで死ぬ」話題本の著者に聞く

自然の中にある危険について子どもと一緒に学べる本が6月、出版されました。この本では実際に起きたアウトドアでの事故が掲載されていて事前に気を付けておくポイントなどが紹介されています。

著者 大武美緒子さん:
「繰り返されているもの原因に共通点があるものを知っていれば防ぐことができたんじゃないかっていうのと、これだけはおさえておこうという事例を監修者の方に相談しながら選んだ」

本の中には長崎での事故も掲載されています。2020年7月長崎県諫早市の轟峡でがけ崩れが起きて8歳の女の子と母親が巻き込まれて死亡しました。

自然の中での事故は誰にでも起こりえると大武さんは感じています。

大武美緒子さん:
「私自身も家族で川遊びとかをした時にとても危なかったなと。ひざ下くらいの水の深さだったんですが流れがあるのであっという間に流されてしまう。あの時にライフジャケットを付けていなかった自分を恥じたといいますか『なんて危険なことを子どもにしてしまったんだろう』と」

漫画は小学生が1人でも読めるようにすべてにふり仮名が付けられています。年に数回、アウトドアを楽しむような親子が気軽に読んでほしいという思いからです。

大武美緒子さん:
「命を守るための知識や経験は自分で判断して選択していく。それが生きる力にもなってくると思う。自然の中で過ごす時間をみなさんで楽しんでいただきたいなという思い。そのための安全」

アウトドアの機会が増える夏休みのシーズン。自然の中にある危険を知って万が一溺れた時には自分で命を守れるように対策をしたうえで楽しむことが必要です。

日本赤十字社の指導員によると水辺のレジャーで簡単にできる対策はまず「ライフジャケット」の着用
子どもの場合、体が抜けてしまうおそれがあるため「股下ベルト」がついたものを選ぶと良い。事前に天候や波の高さを確認することも必要。

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