静岡県森町の小國神社です。6月末、境内で「縁起物」の販売が始まりました。

<参拝に訪れた人>
「これは最中。母親が一回食べてみたいと言ったので、実家の分と自分の分と買いました」
「かわいいし、いいことありそうだなって思った」
「もともとだいこく様が好きで、小槌の面白そうな商品が売っているなと思って買いました」

今回のしずおか産は、福を招くという最中、その名も「こづち」です。小國神社の御祭神、だいこく様。手にした「打ち出の小槌」は古くから「福をもたらす象徴」として知られています。

6月26日、だいこく様へ完成が奉告されたばかりです。「こづち」を発案した榊原淑友さんです。

<榊原淑友さん>
「開発当初、最中の金型を発注した時の発注書なんですけど、2015年12月4日なんです」

榊原さんは森町議時代の2014年、小國神社にちなんだ新しい名物を作ろうと打ち出の小槌の最中を発案。金型を業者に依頼し、打田宮司や地元の有志とともに、商品化にむけて奔走しました。

<榊原淑友さん>
「当初、いろいろと検討を進めたが、なかなか『これだ』という味にならなかった。天の時、地の利、人の輪がつながったときに完成すると今、つくづく感じている」

「こづち」をつくるのは森町の「菓匠あさおか」。創業89年を誇る老舗の和菓子店です。

<菓匠あさおか3代目 浅岡英明さん>
「最中ってあんこの甘みが少ないと、最中の皮が湿気ってしまう。に(あんこの)水分が移行してしまって。そこで少し甘めに作る。だけど(榊原さんの)要望としては『もうちょい甘みを抑えて』と。そこが試行錯誤しました」

最中の皮の食感とあんこの甘さのバランス。納得の行く商品になるまで、10通り以上のレシピを試し、試作品は300個ほどになったといいます。最終的に生クリーム大福に使う「もち」をアレンジして最中に入れることを決め、あんこの甘さを抑えた理想の味を実現しました。

<菓匠あさおか3代目 浅岡英明さん>
「さすが小國神社のお土産ですねと言われるように努力していきたい」

また、箱の掛け紙は、日本を代表する書家で、森町出身の杭迫柏樹さん(90)が、「地元を盛り上げたい」と筆を揮いました。

<榊原淑友さん>
「ぜひ、小國神社に来たお客さまにはこれを食べていただいて、また、森町に来ていただけるとうれしいですね」

発案から10年あまり。榊原さんの思いが形になりました。

<小國神社 打田雅臣禰宜>
「(小國神社にとって)打ち出の小づちは、だいこく様からの御神徳(ご利益)、御加護を象徴する大切なものだと考えております。この地域のみなさまが、神社に想いを寄せていただくなかでで出来上がったもの、その心も含めて非常に大切にしていきたい」

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