こちらの素朴な風合いの縦笛、「ラブフルート」と呼ばれるアメリカの先住民の伝統楽器です。

その音色に魅了され北海道内外で演奏活動を行うほか、自ら製作も手がける北海道恵庭市の男性を訪ねました。

 工房に響く、やすりの音。

小野昭一さんが作っているのは、「ラブフルート」と呼ばれるアメリカの先住民の縦笛です。

 ラブフルート製作・演奏 小野昭一さん(71)
「こうやってやると木が響く。木の種類によって響き方が違うのでどうなるのかなと、思考というか感じているというか」

優しい音に魅了され、演奏と笛の製作を始めて27年になります。

 ラブフルート製作・演奏 小野昭一さん(71)
「木という存在の大きさに敬意を持つというか、僕らと同じように呼吸している存在だと思う。息を注ぐと木のほうが応えてくれるというか、まさに自然そのものと一緒になっている感じ」

 ラブフルート製作・演奏 小野昭一さん(71)
「僕には曲という概念がないので、自分の息の風が、綺麗なものに変わる楽しみがあればいい。響きの中にいると、風というか、見えないが感じる不思議な世界がある」

 ラブフルート製作・演奏 小野昭一さん(71)
「自分がどこにいるのかも何をしているのかも忘れるような、考えずにいられる瞬間がぜいたくだと思う。一番は心の奥から生まれてくる自分の思いが表せる」

 ラブフルート製作・演奏 小野昭一さん(71)
「震災があった場所に巡って行ったとき、皆さんの心が敏感になっていた。今回10年ぶりに行ったところもあったけど、『きれいな音を覚えています』という高齢のご婦人がいて、一生に一回きりでも、ずっと残っていくような響きとの触れ合いで、人との出会いもあるというのが大切なことのように思う」

 これからも北海道から、人々の心を癒す音色を響かせます。

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