夏の甲子園を目指す高校野球福島県大会の注目校を紹介するシリーズ、3回目は聖光学院です。大会2連覇中の聖光は、今年も甲子園、そして日本一を目標に掲げます。その彼らにとって、欠かすことのできない大切な試合が、13日に行われました。

去年、おととしと、2年連続で甲子園に出場した聖光学院。しかし、2年連続で同じ東北勢の仙台育英に敗れ、日本一の夢は、後輩たちに託されました。

新チームとなってからは、去年秋と今年春の県大会を制覇。春の県大会では、わずか3失点という堅い守備と、安定した攻撃力を見せました。116人の部員を束ねるのが、キャッチャーで、キャプテンの佐藤羅天選手。1年生の時から、Bチームのキャプテンを務めてきたこの世代のリーダーです。

佐藤羅天主将「一つの目標を設定した時に、全員の目標に対する徹底力や勇ましさの部分があるので、このチームの強みかなと思います」

選手として不調が続いたこともあり、一時、キャプテンを交代しましたが、夏の大会を前に復帰しました。

斎藤智也監督「羅天をキャプテンに戻す」

斎藤智也監督「最後は佐藤でこのチームは締まるんだろうなと」
佐藤羅天主将「覚悟はずっとしていたので、迷いは一切ない」

投手陣はライバルの二枚看板

3連覇を目指す今年の聖光。2人のピッチャーの二枚看板で、夏を戦います。去年、夏の甲子園でも登板した高野結羽(ゆう)投手。マックス145キロのストレートに、スライダーやカットボールなどの変化球を織り交ぜて、相手を打ち取ります。

高野結羽投手「自分の課題はメンタル面だったので、毎日ブルペン入ったりトレーニングで追い込んだりしました。相手を見ずに自分のコンディションや気持ちを整理して初戦に臨みたいと思っています」

もう1人は、力強いストレートが持ち味の古宇田烈投手です。けがに泣いた時期もありましたが、仲間に支えられながら、筋力トレーニングに励み、1年で7キロ増量しました。

ライバルは、ともに夏を戦う高野投手です。

古宇田烈投手「(高野投手は)変化球がすばらしいし、自分には持っていないような球を持っているので尊敬している部分はあるけど、まっすぐに関しては自分も負けているつもりはないので良いライバル関係だと思う」

13日、聖光のグラウンドは、リラックスした雰囲気に包まれていました。しかし、これから始まるのは、甲子園を目指すチームにとって、欠かすことのできない大切な試合です。

メンバー入り逃した3年生の引退試合、涙…

須藤飛龍投手「きょう最後なんで、今まで練習してきた全部出したいっす」

背番号をもらえなかった3年生たちの引退試合です。主力の選手たちもこの日はサポート役に回ります。

出場する選手にとっては、この日が高校野球の集大成。一球一球に魂を込めます。意気込みを語った須藤投手が、マウンドに立ちました。

気持ちのこもったピッチングで、高校生活での野球を終えました。

須藤投手の母「メンバー発表があった日の夜に息子から9年間お世話になりましたと、感謝の言葉をいただきました。この苦労が報われました。」

須藤飛龍投手「高校野球2年半めっちゃ短かったです。あっという間に終わっちゃいました。(試合に出る選手には)初戦から全力でいってもらって、日本一みんなで行けるようにしたい」

試合後、3年生たちは苦楽を共にしてきた戦友に感謝の思いを伝えます。目標とする日本一に、必ず。116人の部員が1つになり、聖光は今年も、頂点を目指します。

斎藤智也監督「受けて立つではなくて、うちもそれ以上のチャレンジャー精神で向かっていかなくてはと思いますよね。相手以上にこっちが敵陣に乗り込んでいく勢いのある野球をしたいですよね」

佐藤羅天主将「負けないことが最大の目標になっているので、とにかく自分たちが積み上げてきたものが聖光学院の歩みだと思いますし、その魂を結集させて最後の最後まで泥臭く、聖光野球を貫きたいと思っています」

佐藤主将「夏絶対やり切るぞ!」
全員「しゃー!!」

聖光学院は17日、日大東北と対戦します。

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