今月、鹿児島銀行のトップに就任した郡山明久頭取。
キャッシュレス決済の普及やマイナス金利の解除など金融機関を取り巻く環境が変化する中、県内トップの地銀をどう率い、地域経済を支えるのか?聞きました。

郡山明久頭取(66)です。181センチの長身で、鶴丸高校でバレー部に所属していました。

鹿児島市出身で横浜国立大学を卒業し、1980年に入行。霧島市の隼人支店長や人事部長などを歴任し、2019年から副頭取を務めました。

(鹿児島銀行 郡山明久頭取)「地銀だということに徹底的にこだわりたい」

今月1日に頭取に就任。目指すのは「地域に必要とされる金融機関」です。

(鹿児島銀行 郡山明久頭取)「金融が電気・ガス・水道と同じようにインフラの1つだと認識している。地域のインフラで金融基盤を支えなければいけない、という使命がある。(地域金融を)黒子的に支えながら、地域活性化に寄与できる、それが理想」

一方で、金融機関を取り巻く環境は今、変化の時期を迎えています。その1つが、現金を使わないキャッシュレス決済の普及です。

鹿児島銀行は「地域の新たなインフラ」として、2019年に独自のキャッシュレス決済アプリ「Payどん」をスタートさせました。

今では南日本銀行、鹿児島相互信用金庫、鹿児島信用金庫とも連携し、会員およそ14万人、ひと月あたりの決済額は6億円ほどに成長しています。

Q.他と組むことで、スケールメリット出している戦略的に感じるが
(鹿児島銀行 郡山明久頭取)「競争しないで協調した方が効果が出るときは、あえて協調した方がいい。お客様としては非常に便利になってくる、将来の拡張性が期待できる」

変化はさらに…。

(日本銀行 植田和男総裁)「マイナス金利政策といった、大規模な金融緩和政策は役割を果たした」

日本銀行は先月、マイナス金利政策の解除を決め、17年ぶりの利上げに踏み切りました。また、物価の上昇や賃上げが進み、「デフレ脱却に近づいている」との見方も強まっています。

この変革期に県内経済をどう支えていくのか?郡山頭取を後継者に指名した、前頭取の松山澄寛相談役は…。

(鹿児島銀行 松山澄寛相談役)「(郡山頭取は)バランス感覚あるし、本部、営業店、人事、企画、営業を経験。託しやすい相手」

部下からの信頼も厚いという郡山頭取。こんなお願いを引き受けたことも。

この動画はデジタル技術で業務プロセスを改善する、いわゆるDXの知識を習得してもらおうと、行員向けにつくられたeラーニング動画です。「DXの重要性を伝えることができれば」と、出演を快諾したといいます。

(鹿児島銀行 郡山明久頭取)「せっかく若い人たちが、『面白そうだからやりましょう』と言うと、少なくともプラスになってマイナスにはならない。楽しくなければ仕事じゃないし、やるなら楽しくやろう」

鹿児島銀行にはこの春、132人が入行しました。郡山頭取は30代で県に3年間出向した経験があり、今の若手にも、農業・医療・観光業など幅広い業種に出向させ、人材育成につなげたい考えです。

(鹿児島銀行 郡山明久頭取)「外の世界を見ることで、その人自身にもプラスになる、外のノウハウも取り入れられる。伝統的にやってきたことを引き継いでいきたい、人材育成はこれまで通り、あるいはこれまで以上に力を入れたい」

従業員2000人あまりの先頭に立つ郡山頭取。「迷った時は、原理原則に立ち返って決断したい」と、これからを見据えます。

(鹿児島銀行 郡山明久頭取)「『公正・公平・公明』自分に向けた言葉。言うのは簡単だがすごく難しい。『公正・公平・公明』を座右の銘ランキングトップ3の中の一番目」

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