14日の午後5時過ぎ、山形県天童市のNDソフトスタジアム山形。
地元のJ2プロサッカーチーム・モンテディオ山形の試合を見ようと、会場には大勢の家族連れが足を運んでいた。
試合はもちろん、観客の楽しみはスタジアムグルメも。
この日のスタジアムには、山形や隣県の飲食店が自慢の品を提供しようとキッチンカーやテントなどで出店していた。
「ボン!」
午後5時過ぎ。
当時会場にいた複数の人によると、「グルメコーナーに並んでいたら、ボン!と乾いた音が聞こえた」という。
音は1回。
「最初は、なんだろう?という感じ。ちょっと大きい音だったが、何かが倒れたのかな?ぐらいに思っていた」
しかし、直後にもくもくと煙が上がったという。
※煙が上がっている写真は視聴者提供
■周囲は「慌てていなかった」
周囲の様子については、「おそらく近くにいた人が『係員の方はいませんか?』と言いながら走っていきましたが、それ以外は特にみなさん慌てていなかった」
様々な店に、それなりに人は並んでいた。
「叫び声をあげる人もいませんでしたし、周囲は冷静でした。キッチンカーのそばだけは、少しバタバタしていた」
やがて消防車と救急車がやってくる。そこでようやく、「爆発だったのかな」と思ったとのことだ。
すでに報道されているように、起きたのはガス爆発。
警察や消防によると、爆発がおきたのはキッチンカー。ガスボンベを交換する際に引火したのが原因とみられるという。
この事故では50代と20代のキッチンカーの店員2人が手や顔にやけどを負ったが、命に別状はないとのことだ。
観客にケガはなかった。
■消火したのは
大きな騒ぎにならなかった要因はもうひとつありそうだ。
消防によると、爆発音を聞き、現場の状況を察してすぐに駆け付けたのは、2人の消防署員だった。
天童市消防本部に勤務し、普段は消火業務や救急業務にあたっているという50代と30代の2人の消防署員。
この日は非番で、地元のチームであるモンテディオの応援をしようとスタジアムを訪れていた。
「消火器をどこから持ってきたのかなど詳細はわからないが、2人がすぐに消火活動にあたった」と消防の担当者。
偶然現場に居合わせた消火のプロが、冷静に対処したという事実があったのだ。
現場には、消火に使われた消火器がいくつも並んでいた。
■主催者の対応は
ガス爆発は、結局かけつけた警察と消防が鎮火を確認した。
モンテディオ山形は事故原因について、「店舗スタッフの人為的ミスで発生したと考えられる」と発表している。
さらに「今回発生した火災事故の反省をもとに飲食売店に向けて、啓発および安全への対策を今まで以上に指導してまいります」とした。
加えて「この度の火災事故に関して、重ねて深くお詫び申し上げます。また、火災を発見し通報、初動対応していただいた皆様、多くのご心配のお言葉やお見舞いを頂戴した皆様に心より御礼申し上げます」とコメントした。
これからの夏祭りシーズン、すべてのイベントが、何事もなくおもいっきり楽しめるものであるよう願うばかりだ。
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