宮崎市の中心市街地が抱える課題についてです。
宮崎市の若草通り周辺では築50年以上の建物が増え、街づくりの課題となっています。
老朽化が進んでいる背景、そして、建物の活用に向けた動きを取材しました。

グルメやファッションのお店が並ぶ 市街地の中核「若草通り」

(30代男性)
「ただの通り道みたいな印象」
(女子高校生)
「きれいな建物がたくさんになってほしい」
(20代男性)
「若者とかが入りやすいお店とか、そういうところをもっともっと増やしていってほしい」

街の人がこう話す場所は、宮崎市の若草通り。
市街地の中核に位置する通りで、グルメやファッションのお店が並んでいますが…

(田尻怜也記者)
「コロナ禍を経て、にぎわいを取り戻しつつある若草通りですが、実はある問題を抱えているんです」

その問題とは建物の老朽化。

若草通り周辺では築50年以上の建物が増えていて、まちの活性化のためには無視できない状況となっています。

「そのままでいい、もうこれ以上お金払いたくない」老朽化の進む背景

築45年以上の「冨山ビル」のオーナー、冨山泰正さんです。

若草通り周辺の建物の老朽化が進む背景として、地権者の多くが郊外に住み、テナントなどとの話し合いの機会が少ないことや、自身の所有する建物に投資する考えもあまりないと指摘します。

(冨山ビルのオーナー 冨山泰正さん)
「『そのままでいい、もうこれ以上お金払いたくない』って。事業継承のことに関しても、うちもそうなんですけど、息子も遠くにいるから、ここはもうなるようになればいいという方が多い」

こうしたなか、冨山さんは、建物の一部をリノベーションして、家具付きのマンスリーマンションとして貸し出そうとしています。

(冨山ビルのオーナー 冨山泰正さん)
「儲かったっていう話が出ると、『どうやったの?』と訪ねて来られるんだけど、なかなかそれがきちっと回っていって、初めてみんな気づくっていうことなので、成功事例を作るということから、それをわかりやすく何かしようとしてる状況」

リノベーションの事例

富山さんのように、若草通りではほかにもリノベーションの事例が。

こちらの着物屋は、5年前に築50年の建物をリノベーションして開業しました。

(記者)
「もともとどんな空間だった?」
(染織こだま 児玉健作さん)
「廃屋ですね。押せば倒れそうな建物だったんですが、全取っ替えみたいな感じで、床を抜いて壁を抜いてやり直しを(した)」

また、こちらの若草HUTTE(ヒュッテ)も築50年以上のビルをリノベーションし、カフェやコワーキングスペースとして営業しています。

(若草HUTTE 今西 猛 さん)
「自分たちが学生の時に憧れていたお店とか、買い物に来ていたお店があった場所で、今はずっと使われていないところだったので、せっかくならそういうところの方が自分たちがやりたいなって盛り上がったので決めました」

地権者とテナントなど「繋がっているようで、繋がりが少ない」

若草HUTTEのオーナーの今西さんも、地権者とテナントなどのつながりの薄さを課題としてあげます。

(若草HUTTEオーナー 今西 猛 さん)
「地権者と、あと、テナントのオーナーと商店街ごとの連携というのは、なかなか皆さん繋がっているようで、まだまだ繋がりが少ないので、横の連携とかがもっととれると、本当は街の魅力が一層相乗効果が上がるんだろうなと思うんですけど、そこまでできていないかなとは思います」

このエリアの街づくり団体の福田好哲代表は、今後、地権者などにアプローチしていくことも重要だと考えています。

(TEGENATOWN 福田好哲代表)
「既存のストックを最大限有効活用して、それで街をつくっていけたらと思う。大家さんも地権者もここに住んで1年中考えているわけではないので、少しずつ情報を与えて一緒に考える機会を組んでいけたらと思う」

鄭重声明:本文の著作権は原作者に帰属します。記事の転載は情報の伝達のみを目的としており、投資の助言を構成するものではありません。もし侵害行為があれば、すぐにご連絡ください。修正または削除いたします。ありがとうございます。