北海道小樽市で4人が死傷した飲酒ひき逃げ事件から13日で10年です。

根絶への取り組みは続いているものの摘発件数が減らない現状に嘆きの声です。

麻原衣桜 記者
「10年前飲酒ひき逃げ事件が起きた現場にきています。今でも献花台が残されており、最近置かれたとみられる花が手向けられています」

先日海開きした小樽市のドリームビーチ。
海水浴客の中にあの夏を記憶している人がいました。

海水浴客
「あの事件をきっかけに、このあたりに警察が来て厳しくなった感じはした」

2014年7月13日。
海水浴の帰りだった女性4人が飲酒運転の車に後ろからはねられ、3人が死亡、1人が大けがをしました。
車を運転していた男は12時間以上、酒を飲んだうえ、スマホを操作していました。

北海道交通事故被害者の会 高石洋子さん
「日付と、まず最初に街頭署名って書かれていますね。2014年8月21日…」

北海道江別市に住む高石洋子さんです。
小樽の事件で、運転していた男は当初、過失運転致死傷の罪で起訴。
これに納得できないとして、より罪の重い危険運転致死傷罪の適用を求め女性たちの家族とともに署名活動に取り組み、結果、司法を動かしました。
高石さん自身も飲酒ひき逃げで当時高校1年生だった次男を亡くしていて、亡くなった女性の家族の思いも身にしみて感じています。

北海道交通事故被害者の会 高石洋子さん
「年月は薬だって言う人がいます。けれどそれは、薬じゃなくて現実逃避がどんどん上手になる。現実に、ここに来て会いたいと思った瞬間に、私はここで崩れて泣いています」

小樽市の事件をきっかけに、道は7月13日を「飲酒運転根絶の日」と定めました。
悲劇を繰り返すまいと、毎年、決起集会が開かれています。

北海道警察 伊藤泰充 本部長
「ご遺族の深い悲しみを忘れることなく、引き続き飲酒運転の根絶に向けた対策を粘り強く推進して参ります」

しかし、悪質な飲酒運転は後を絶ちません。北海道警察によりますと去年1年間の飲酒運転の摘発件数は763件で前の年より58件増えています。

過去10年で見ても件数は横ばいと「根絶」にはほど遠い現状に高石さんは対策強化の必要性を訴えます。

北海道交通事故被害者の会 高石洋子さん
「今だからとか、7月13日だからなの違うでしょう。毎週毎週土曜日とかすすきの回ってよ、とか繁華街回ってよとか行政も警察も本当に心から真剣に飲酒運転をなくすという問題に取り組んでほしいと心から思う」

「飲酒運転ゼロ」達成のために必要なことは何か、一人ひとりが事件を胸に刻み考えなければなりません。

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