総務省の家計調査で、福島市は納豆の1世帯あたりの購入額が4年連続で1位でしたが、去年は9位にとどまり、日本一ではなくなってしまいました。納豆の購入額日本一奪還のため、福島市ではある取り組みを始めています。

井上和樹アナウンサー「棚一面が納豆で埋め尽くされています。そしてこちらのスーパーでは上り旗を設置して、納豆の日に合わせて納豆消費をPRしています」

「納豆のまちふくしま」と書かれた上り旗。福島市では7月7日から13日までの1週間を「納豆ウィーク」と称し、インターネットの特設サイトでアンケートに答えると景品が当たるキャンペーンを展開しています。

なぜ、福島市はここまで力を入れるのか?そこには日本一を逃したある要因がありました。

奪還のカギは「夏の消費」

福島市にぎわい商業課・田代翔太郎さん「夏の消費が落ちていることは数字で見られたので、7月10日のキャンペーンは有効だと思う」

田代さんによりますと、ここ数年、猛暑で夏場に納豆のお供・お米を食べることが避けられたため、7月から9月にかけての納豆購入額が落ち込んだのではないかと分析しています。

そんな夏場の消費の落ち込みを食い止めようと、7月10日だけでなく毎月10日を「納豆の日」として納豆の消費拡大を呼びかけます。さらに、市内で納豆料理を提供する21店舗をまとめた納豆グルメマップを作成し、外食での納豆消費も促します。

福島市にぎわい商業課・田代翔太郎さん「ぜひ毎月10日は納豆を食べるぞと意識して頂いて、日本一奪還を目指していきたいよろしくお願いします」

クリームチーズとヨーグルトのソースが納豆にマッチ!?

納豆グルメマップに掲載されている一つ、それが福島市の土湯温泉にある日帰り温泉「御とめ湯り」で提供しているライスバーガー。

川俣シャモのそぼろに納豆とクリームチーズ、そしてヨーグルトを合えたソースがポイントです。

佐々木夢夏アナウンサー「さわやか!クリームチーズとヨーグルトの酸味が納豆の香ばしさと絶妙なバランスです」

この商品は、今年2月に福島市で開かれた「納豆料理コンテスト」で56品の応募から見事グランプリに輝きました。

御とめ湯り​・佐藤広明総支配人「納豆ってこんな食べ方もあるんだと楽しんでいただければと思います。こういった地道な活動と、福島人の納豆愛が合わさることで、必ず今年奪還できると信じています」

温泉熱で納豆製造も

1世帯あたりの1年間の納豆購入額で、福島市は全国の都道府県の県庁所在地と政令指定都市の中で、おととしまで購入額が4年連続で日本一でした。しかし、今年2月に発表された去年1年間の購入額は5817円で、9位にとどまりました。

福島市内では日本一奪還に向けて、様々な取り組みが行われています。

その一つが、福島市の土湯温泉にある「おららの納豆温泉ラボ」。温泉熱を活用して納豆を作る施設で、6月に製造をはじめました。発酵室をのぞいてみると、温泉が流れる管が張りめぐらされています。温泉の熱を利用することで、脱炭素にもつながるということです。

この施設のもう一つのポイントは、ICT技術の活用です。NTT東日本と福島大学の協力を得て、発酵室の温度や湿度を遠隔で管理することで効率的に製造できるため、人手不足の解消にもつながっています。この納豆には、県産の大豆が使われていて、道の駅つちゆなどで販売されています。

「御とめ湯り」の商品にも、この「おららの温泉納豆」が使われ始めたそうです。納豆で地域を盛り上げようと様々な取り組みを行う福島市。今年こそ納豆の購入額1位を奪還できるのか、注目です。

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