大分県日田市の住宅で、ネコが最大60匹まで繁殖し、飼い主が飼育できなくなる多頭飼育崩壊が起きました。相談を受けた愛護団体による支援活動が続いています。

飼い主が引っ越し、問題解消進まず

住宅に住みつく20匹以上のネコ。この場所ではペットの増えすぎで飼い主が飼育できなくなる多頭飼育崩壊が起きました。

今年2月、日田市内の住宅で確認され、3匹のネコが最大60匹まで増える事態に。これ以上繁殖させないため、ネコの愛護団体「ひたねこLink_heart」やボランティアがオスとメスで分けて飼うための小屋を5月に作りました。

小屋を使用するためには、毎日のエサやりと掃除が必要です。しかし、すでに現場から引っ越しした飼い主と愛護団体との協議が進まず、小屋の完成から2か月たった今も未使用のままとなっています。

このため愛護団体は、繁殖するおそれがあるとして、数匹を保護して譲渡会に出すことに決めました。

ひたねこLink_heart小関由香里代表:
「すごく慣れていて人にべったりなので譲渡会に出そうかなと」

譲渡会に出すために健康状態を確認しようと保護したネコを連れて地域の動物病院を訪れました。

いいだ動物病院獣医師 飯田隆介副院長:
「検査結果としては何もなく元気。小関さんがリンクハートというNPO法人を設立して取り組んでいるので、病院はどうにか協力ができればいいと思う」

この日は病気の検査に加えて、ネコの堕胎と避妊手術を行いました。

小関由香里代表:
「病院も連れて行かないといけないし、お金も一切請求していないし、全部こっちでやっています。でもネコがかわいそうなのでまた新しい飼い主さんにいけば幸せになれる」

ネコの譲渡会開催

一週間後、ネコたちの新しい家族を探す譲渡会の日。参加ネコは野良や親がいない子ネコなど様々な事情で保護された24匹。多頭飼育崩壊の現場から保護された3匹もいます。

小関由香里代表:
「貰い手が早く見つかるといいですね。みんなかわいいので大丈夫と思います」

譲渡会が始まり、多くの人が訪れました。譲渡の流れは、脱走対策などを確認するために愛護団体が自宅を訪問、その後、家族との相性を確認する2週間のトライアルを経て正式に譲渡が決まります。また、ネコの去勢・避妊がルールとして決められています。去勢・避妊ができていない子ネコは、生後6か月のタイミングで飼い主が手術を受けさせなければいけません。

(訪れた人)「避妊手術が一番大事という説明を受けたので、手術をしてから新たに家族を迎えたいと思います」

小関由香里代表

小関由香里代表:
「12匹に希望者がいて、今後トライアルに行きます。保護しなければいけないネコを生み出さないように地域猫活動をして野良猫を減らしていけたらいい」

多頭飼育崩壊から救出された3匹は今回、新たな家族が決まりませんでしたが、7月末の譲渡会に再び参加する予定です。

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