政府の地震調査委員会は9日、能登半島地震について、傾斜の向きが異なる複数の断層が破壊される形で地震が発生したとみられると発表しました。

能登半島地震では能登半島の西側から新潟県の佐渡沖にかけて東西およそ150キロの領域で、複数の断層がずれ動いたと考えられています。

多くの断層は能登半島の下に潜り込む形で南東方向に傾斜していますが、東京大学などが1月から2月にかけて海底に地震計を設置して調査した結果、能登半島の北東沖では、断層が北西方向に向かって傾斜していることが分かりました。

能登半島北東沖の震源分布 文部科学省の調査で知られていた「NT」断層に沿って震源が広がっている=地震調査委員会資料より

これらの断層は、文部科学省が2013年から行った「日本海地震・津波調査プロジェクト」で存在が知られていて、1月1日の地震では傾斜の向きが異なる複数の断層をまたいで破壊が進んだとみられることが分かりました。

「M6超える地震まだまだある」今後も十分注意

能登半島地震の震源域では少しずつ地震の回数が少なくなっていますが、6月3日にはM6.0の地震で最大震度5強を観測するなど、依然活発な地震活動が続いています。地震調査委員会の平田直委員長は「震源域全体のどこかでマグニチュード6を超えるような地震が起きる可能性はまだまだある。もう半年たったが、決して終わったわけではなく十分注意してほしい」と呼びかけました。

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