検察トップの検事総長に女性として初めて就任した畝本直美氏が記者会見を開き、「検察に厳しい目が向けられているが、国民の信頼に支えられていることを自覚し、職務を全うしたい」と語りました。

検事総長に就任 畝本直美氏
「検察が国民の信頼という基盤に支えられていることを心に刻み、常に『検察の理念』に立ち返り、公正誠実であることを大切にした適正な検察権の行使に努めていきたい」

きょう(9日)付けで検事総長に就任した畝本直美氏(62)が記者会見を開き、「犯罪の国際化、匿名化が進んでいるなかでも、真相解明という役割を果たすために組織として力をつけていきたい」と語りました。

1988年に任官した畝本氏は最高検公安部長や広島高検検事長などを歴任し、去年1月からは検察ナンバー2の東京高検検事長を務めていました。女性初の検事総長となったことについて、畝本氏は「女性であろうが男性であろうが、検事総長という責務は大変重い。性別にかかわらず、役割を果たしていきたい」と話しました。

畝本氏は2016年6月からおよそ2年半、法務省保護局長を務めましたが、この間、刑務所を出所した人たちの社会復帰を手助けする取り組みに胸を打たれたといいます。

「更生保護の仕事は行政だけでなく、多くの民間の方々が一生懸命に相手のことを考えて取り組んでいる。本当にすごいと感じた」「検察の仕事は刑事司法の一部に過ぎないが、検察の仕事を通して、再犯防止に取り組む意義がある」と語り、検察庁としても再犯防止により一層取り組んでいく考えを示しました。

一方、一部で検察官の取り調べに対する批判が出ていることについては、「真相解明は大事なことだが、そのための手段が適正であることも非常に大事なことだ」「常に『検察の理念』に立ち返り、公正、誠実であることを大切にして仕事をしていきたい」と強調しました。

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