岩手県内でも様々なコーヒー豆が販売されていますが、きょう紹介するのは中でもユニークなオリジナルブランドのコーヒー豆、その名も「ジーサンコーヒー」です。ブランドに携わる人たちには、ある大きな夢がありました。

こちらが自家焙煎のコーヒー豆、「ジーサンコーヒー」です。


今年4月から岩手県岩手町の道の駅石神の丘などで販売されています。
この新たなコーヒーブランドを立ち上げたのは、町内で麺類やパンなどの製造販売を手掛ける会社「粉夢」です。


(浅見キャスター飲む)
「おお。やっぱりすっきりしていますね。すごく飲みやすい」


(菊地眞一郎さん)
「最後まですっきり飲める。飲んだ後すぐおかわりみたいな感じにしたい」


(浅見キャスター)
「わかります。すごくクリアな味わい」


専門外だったコーヒーの販売を発案したのが、粉夢の顧問を務める菊地眞一郎さん。そしてそれを形にしたのが、眞一郎さん妻で粉夢の代表を務める百合さんです。

最初は自分たちで飲むためのコーヒーを焙煎してみようとスタートした企画だったといいます。
気になるのが「ジーサンコーヒー」というネーミング。

(菊地百合さん)
「うちの娘がですね、3人とも知っているものですから、おじいさん3人だから、ジーサンでいいんだ。(くり返す)おじいさん3人だから、ジーサンでいいんだ」

ジーサンコーヒーのジーサンとは、「じいさん3人」という意味。
パッケージに並ぶのも「じいさん3人」です。
1人目のじいさんは、発案者で、仕入れたブラジル産やコロンビア産などのコーヒー豆の焙煎作業を担う眞一郎さん。



(菊地眞一郎さん)
「やっていれば常に疑問が生じてくる。もっと良くするためにどうしようかなと言うことですかね」
2人目は、使用する焙煎機を製作した町内で鉄工所を営むタキモトさん。
焙煎機は企業秘密のため撮影不可ということです。


そして、こちらが3人目のじいさんこと町内の農家、田中栄三さんです。
3人にはある夢があります。
そのヒントが田中さんのハウスにあるということでお邪魔しました。

栽培しているのはなんとコーヒー豆の木です。
そう、3人のじいさんたちが夢見ているのは、現在使用する海外産ではなく、岩手町産の豆を使ったコーヒーを作ることです。

(田中栄三さん)
「岩手町産を飲んでみたいなと思って。
(コーヒー豆の木って栽培できるものなんですか?)
 まだ私もわからないんですけどね。できないことはないと思うんですけどね」

本来熱帯地域が主な産地で、寒さに弱く栽培が難しいとされるコーヒー豆の木。
それでも去年は、試験的に田中さんが育てたコーヒー豆の木から、ごくわずかですが、豆を収穫することができました。

(菊地眞一郎さん)
「どういう焙煎をしたら岩手町産のコーヒーの味をうまく出せるかな。岩手町産のコーヒーがこういうおいしいものだなと知られていくようにしていきたいですね」


発起人の眞一郎さん。
焙煎機を製作したタキモトさん。
そしてコーヒーの木の栽培をはじめた田中さん。
3人のじいさんの思いが詰まったジーサンコーヒープロジェクト。

岩手町産コーヒーの商品化実現にはまだ時間がかかりそうですが、大きな夢が、確かに動き出しています。

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