去年6月、宮城県石巻市の自宅で同居する母親を包丁で刺し殺害した罪に問われている50歳の長男の裁判員裁判で、検察側は懲役15年を求刑しました。一方、弁護側は無罪を主張しました。

殺人の罪に問われているのは、石巻市広渕の無職・佐藤昌喜被告(50)です。起訴状によりますと、佐藤被告は去年6月、石巻市内の自宅で同居する母親・多喜子さん(当時75)の首付近を包丁で刺して殺害したとされています。

この裁判では「殺意の有無」と統合失調症を患っている佐藤被告の「責任能力」が争点となっています。

仙台地裁

8日の論告求刑公判で検察側は、「傷の深さは7~8センチで殺意は強固だった」「母親を逆恨みした身勝手な犯行動機だった」と指摘。精神鑑定などの結果から病気の影響はなく完全責任能力があるとして懲役15年を求刑しました。

これに対し弁護側は「包丁で脅そうとしただけで刺そうと思っていなかった。異常な精神状態が原因で包丁を降り降ろした」と犯行には病気が影響したと反論。殺人については無罪を主張し、罪が問われる場合でも心神耗弱の状態だったとして減刑を求めました。

判決は7月16日に言い渡されます。

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