スプライト(レッド・スプライト)と呼ばれる夜空の一部が一瞬真っ赤に染まる現象が、きょう(8日)未明、岡山市中区で観測されました。

山陽学園大学地域マネジメント学部の米田瑞生さんが、撮影に成功しました。

米田さんは、「スプライトは、1989年に正式に発見されましたが、それ以前も、パイロットらが夜間に一瞬夜空に閃光が走るのを目撃していて、その存在は示唆されてきた」といいます。

米田さんによりますと、通常の雷は、雲と雲、或いは雲と陸地の間に電流が瞬間的に流れる現象ですが、スプライトは、高度50kmから100kmの間を電流が流れるもので、冬に観測が多いとされています。

また、通常の雷に伴って発生しやすいことが知られています。

米田さんは「おそらく、日本海上空に発達した雷雲があったので、それに伴って発生したのではないか。当時の気象衛星の雲画像を見ると、朝鮮半島から日本海にかけて、発達した雨雲が見られる」と話しています。

0.1秒に満たない、短いと1/1000秒程度しか発光しない、本当に一瞬の現象です。残念ながら画面の下端で発生して、上半分くらいしか見えていません。北極星の真下に観測されました。

米田さんによりますと、特に岡山県内でカラー映像が得られたのは初めてではないかということです。(人口・愛好家の多い関東では素晴らしい映像が報告されています) 

【米田瑞生さん】
2002年4月 - 2006年3月 東北大学, 理学部, 宇宙地球物理学科
2013年6月 - 2017年6月 ハワイ大学, 天文学研究所, 客員研究員
2015年4月 - 2017年9月 東北大学, 大学院理学研究科, 客員研究者 (博士(理学))
2023年4月 - 現在 山陽学園大学, 地域マネジメント学科

主に太陽系内外の惑星・衛星の大気・磁気圏について、研究。特に木星の衛星イオの火山活動がどのように変動しているか、その詳細を調査。イオの火山の研究には、東北大学にいたころに、マウイ島にあるハワイ大学の施設内に設置した望遠鏡を使っている。若い頃には高山病と闘いながら、チリ・アタカマ砂漠にある、東京大学アタカマ天文台での観測研究に従事。また、現職の山陽学園大学では情報関連の教育に従事する一方、特別な場所・施設でなくても、観測できる現象を調査すべく、「晴れの国」のメリットを活かして、低コストで流星を観測する方法を模索中。

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