菊地正智カメラマン
「大量の白い煙が噴き上がっています」

北海道後志の蘭越町の掘削現場で大量の蒸気が噴き出した問題から1年余り。
去年6月29日、三井石油開発による地熱発電調査の掘削作業中に、ヒ素などを含んだ大量の蒸気が噴き出し19人が体調不良を訴えました。
蒸気の噴出はおよそ2か月後に止まりましたが、周辺の河川が白く濁ったほか、川の水からは農業用水の基準を超えるヒ素が検出されました。
また、周辺の林はおよそ7.5ヘクタールにわたって白く変色するなどの影響が出ました。

藤田忠司カメラマン
「噴出した水蒸気のために山林が広い範囲で変色しています」

蒸気の噴出から1年余りが経過しましたが、現場周辺では今もなお変色した林を確認することができます。
掘削作業を行っていた三井石油開発は5日、記者会見を行い蒸気が噴出した原因などについて説明しました。

三井石油開発 瀬戸内貴司 地熱事業部長
「(掘削作業中に)深度206メートルで地下の亀裂に遭遇。地下の亀裂を防ぐために作業を進めるなか、保安注水を停止した。これに伴い抗底で熱水が沸騰し、蒸気の噴出に至ったと推測しております」

また、これまでに19人が体調不良を訴えている点について、三井石油開発は蒸気の噴出で健康被害を受けた人は「2人のみ」との認識を示していて補償の状況についてはプライバシーを理由に説明を避けました。

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