鹿児島市の開陽高校の中に来年4月に開校する県立の夜間中学校「いろは中学校」。

夜間中学は、戦後の混乱や、病気、不登校など、様々な理由で義務教育を十分に受けられなかった人などが通う学校です。現在、31都道府県に53校ありますが、県内での開校は初めてです。

入学説明会には、10代から60代までの21人が参加しました。

(記者)「こちらの教室では社会の体験授業が行われている。『鹿児島の食と農業』について和気あいあいとした雰囲気で学んでいる」

(授業)
「鹿児島県は田と畑、どちらの面積が大きいでしょう」
「畑」
「正解!拍手(パチパチ)」

夜間中学の授業は月曜日から金曜日までで、午後5時すぎに登校し、40分授業が4コマで午後9時までです。

国語や数学など基本的には公立中学校と同じ教科を学びますが、個人の学力によっては小学校の学習内容についても学べます。

最長6年通うことができ、全過程を修了すると中学校の卒業資格を得ることができます。

こちらの男性は特別支援学校を卒業しましたが、十分な教育が受けられず社会に出てからも苦労してきたといいます。

(特別支援学校卒業 製造業・60代)「中学の教科を習っていないので新鮮。元素記号も習っていないので、資格を取るにも苦労した。劣等感の塊だった。高校進学もしたい」

2年ほど前からひきこもりの中学3年生の息子を思い、参加した父親もいました。

(不登校の子の父親)「子どもの気持ちが前向きになってくれたときに、選択肢の一つとして伝えられるよう説明会に来た。頑張ってみようと思う子どもたちのためには(夜間中学ができて)非常に良かった」

生徒の募集は10月から始まり、11月から面接が始まります。定員は1学年12人程度で、授業料と教科書代は無料です。

(県教育庁・義務教育課 水島淳課長)「学びたいという気持ちを持っている方に一人でも多く入っていただき、楽しい学校生活を送ってほしい」

「いろは中学校」の入学説明会は、来月29日まで、県内12の会場で行われます。

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