「紀州のドン・ファン」と呼ばれた資産家の元妻が、40歳以上年の離れた、別の男性に対する詐欺事件の裁判で、検察側はきょう、須藤早貴被告に懲役4年6か月を求刑しました。

起訴状によりますと、須藤早貴被告(当時19歳)は2016年、札幌市内の男性(当時61歳)から、海外留学の準備金名目などで、約3000万円をだまし取った罪に問われています。

5月の初公判で弁護側は、「被害男性はホステスだった須藤被告のことを心理的に支配したいために金を支払った」として、詐欺罪の成立について争う姿勢を示しました。

須藤被告は「これだけのお金を受け取ったのは事実で、嘘も反省しているんですけど、ベースは愛人。私が詐欺師なら、被害者は性犯罪者だと思っている」と話しました。

さらに、男性がお金を払ったのは「全面的に私の話を信じていたわけではない」とし、体を触る対価や口止め料として払っていたと主張しました。

一方、検察側は「被告の発言で被害男性が錯誤に陥り、金を振り込んだ」と指摘しています。

被害男性も証人として出廷し、「(須藤被告と)誕生日が同じで運命を感じていた。美容師になりたい、という早貴の夢を応援していた。嘘だと知っていたらお金を支払わなかった」などと主張してきました。

〈おことわり〉
須藤早貴被告は2018年「紀州のドン・ファン」と呼ばれた資産家の野崎幸助さん(当時77)を、急性覚せい剤中毒で殺害した罪で起訴されています。詐欺事件の当時は19歳でしたが、殺人という重大事件の被告として、すでに名前も報じられていることなどを鑑みて、MBSとしては実名で報じています。

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