長崎県大村市が男性の同性カップルが申請した住民票を「世帯主」と「夫(未届)」の記載で受理したことについて、3日に開かれた市議会で一部の市議が市の対応に注意を促す決議案を提出しようとしていましたが直前で取り下げました。
3日の大村市議会・議会運営委員会に提出されたのは、住民票記載に関する取り決めを早急に整理するよう求める決議案で、全国的に例のないような事務処理を行うに当たって市職員の対応が「正確性と慎重さを欠いている」と指摘していました。賛成する委員はおらず決議案は取り下げられました。
決議案を出していた市議のひとりは報道陣の取材に対し「手続きは簡単に係に任せるんじゃなくて、課長、部長、副市長、市長まで打ち合わせのうえしなくてはならないと思った」などと説明した一方、今回の件に関して「こんな問題になるんですね。軽いものなんですけども」と発言、その後発言の真意を質問した記者に対し「撤回します。申し訳ございませんでした」と答えました。
議運を傍聴していた住民票を交付された当事者の松浦慶太さんは「住民票の記載が取り下げられるのではないかと心配で夜も眠れなかった」と話し「(決議案が)取り下げられて安心している。あらゆる人に優しい大村市をみんなでつくっていけたら」と話しました。
LGBTQを自認する松浦さんはことし3月、同性カップルの関係を公的に認める「パートナーシップ宣誓制度」を導入している大村市に同性パートナーの藤山裕太郎さんと共に移住。
住民票の手続きの際、松浦さんを「世帯主」、藤山さんを「夫(未届)」と記載することを希望し、市は「続柄の記載の仕方は各自治体の裁量に委ねられている」として松浦さんの希望を受け入れていました。
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