物価高騰が続く中、「定期昇給」と「ベースアップ」に続く、「第三の賃上げ」と銘打ったある福利厚生がいま、注目を集めています。
北海道小樽市の自動車整備工場です。
この会社では去年、従業員への還元策として「第三の賃上げ」とうたった新たな福利厚生を取り入れました。
日免オートホールディングス・成田健吾さん
「逆にいいのかなというくらい大変満足している」
日免オートホールディングス・山元明菜さん
「利用者数は大体100%近く」
いったいどのようなサービスなのか。
答えはランチタイムにありました。
従業員が訪れたのはファミリーレストランです。
日免オートホールディングス・成田健吾さん
「濃厚でめちゃくちゃおいしいです」
実はこちらのランチ、食事代の半額分を会社が負担しているのです。
日免オートホールディングス・成田健吾さん
「非常にありがたく感じます。福利厚生と言われたときにチケットレストランだねと」
チケットレストランとは食事代を補助する福利厚生のサービスです。
従業員にはICカードが配布され、毎月、最大7000円がチャージされます。
ICカードで食事代を支払うと半額を会社側が負担する仕組みで、大手の飲食チェーンやコンビニなどで利用できます。
日免オートホールディングス・山元明菜さん
「従業員の満足、帰属意識が高まることに期待して(導入した)」
「(従業員からは)好きな食べ物を一品増やしたりとか、朝の活力のエナジードリンクを買ったりとか、そういうことができてうれしいという声があった」
支払いもキャッシュレスで便利なため、これまでに全国でおよそ2000社が導入しています。
チケットレストランのサービスを提供する会社は、人気の秘密について税制上の「お得さ」を強調しています。
チケットレストランの運営会社・高木順子さん
「従業員にとっては給与ではないので非課税扱いになり、企業は一部のみが社会保険料の対象となる」
会社が賃上げした場合、給与が増加してもそれに応じて社会保険料や所得税が引かれることになります。
しかし、チケットレストランの場合は給与ではないため所得税は非課税で、賃上げよりも実質的な手取りを増やすことができ、「第三の賃上げ」になるとアピールしています。
チケットレストランの運営会社・高木順子さん
「給与の場合、一度賃上げしてしまうと簡単に下げることできない。チケットレストランの場合ハードルが低いという評価もいただいている」
大企業を中心に賃上げの動きが相次ぐ中、中小企業でも従業員の懐事情にやさしい取り組みが広がっています。
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