3日から新紙幣が発行されますが、すでに発行されなくなった旧千円札について、肖像の人物のふるさとでは、いまも関心事となっています。

山口県光市に保管される千円札。初代総理大臣・伊藤博文が描かれた旧千円札です。伊藤博文の生誕地、山口県光市で厳重に保管されていましたが、新紙幣の登場にあわせ特別に展示されています。いまから38年前の1986年まで発行されていたもので、野口英世、夏目漱石とさかのぼって、覚えている人も多いかもしれません。注目すべきは、紙幣に書かれた固有の番号「記番号」。「A000001A」と、書いてあります。

旧大和町(現在は合併して光市)職員・伊藤公資料館 林康則館長
「千円札の1号券は、なかなか日銀から外に出ないと。この時点の1号券が外に出るのは、極めて異例というふうに聞いております」

記番号「A000001A」は、1963年11月に発行された記念すべき1枚目を指します。伊藤博文の生誕地ということで、日本銀行から当時の大和町・今の光市に贈られました。最初の1枚があれば、欲しくなるのは、やはり・・・

伊藤公資料館 林館長
「1号券を持っていますので、最後の番号をぜひいただきたいということで、『ZZ900000Z』というのを探してくださいというキャンペーンを40年くらい前にいたしました」

最終の記番号にあたる「ZZ900000Z」の千円札の提供を求めて、全国規模の捜索をしたとも言えます。この呼びかけをきっかけに、次第に届いては数字が更新されていきました。最終番号に最も近かったのは、2004年12月に大阪市の男性から届いた「ZZ895878Z」。ほぼ誤差では?というところまで来ましたが、その後、更新はありませんでした。

大和町の職員時代にこのキャンペーンに携わった林館長にとって、最初と最後の旧札2枚がそろうことは、待ちわび続けている「夢」です。

伊藤公資料館 林康則館長
「最後の番号、最初の番号、一緒に展示をすることができれば、館長として、すごく幸せだなと思っています。最終番号の旧千円札をもしお持ちの方がいれば、財布やたんすの中を見ていただいて、あればぜひご連絡いただきたい」

新たな紙幣が発行されたきょうも、40年にわたる捜索は、ひっそりと続いています。

8月27日までの期間限定で光市の伊藤公資料館で展示されています。

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