宮内庁の関係者を装い「皇室への献上品」の名目で、農家からモモをだましとった罪に問われている男に対し、検察は懲役3年を求刑しました。

詐欺などの罪に問われているのは、東京都練馬区の農業園芸コンサルタント・加藤正夫被告です。

送検される加藤被告

加藤被告はおととし8月、宮内庁の関係者を装い「自分には皇室への献上品を選定する権限がある」などとうそを言って、福島市の農家の男性からモモ4箱をだまし取るなどした罪に問われています。

去年12月に開かれた初公判で、加藤被告は「モモは宮内庁に送った」などと話して起訴内容を否認し、無罪を主張していました。

2日の裁判で、検察は「巧妙で悪質な手口の犯行」などとして、懲役3年を求刑しました。一方、弁護側は「実際に献上していて、詐欺には当たらない」と主張しました。

裁判は2日で結審し、判決は9月5日に言い渡されます。

個人で献上できる…?献上品決定の流れ

そもそも皇室への献上品はどのような流れで決定されるのか、TUFは事件が発覚した去年、福島県に取材しました。

まず、福島県内では桑折町の「あかつき」と会津若松市の「会津みしらず柿」が、皇室に献上されている。あかつきは1979年に始まり、会津みしらず柿は1928年と、100年近くの歴史があるといいます。

献上までの流れは、はじめに県から宮内庁に対し、知事の名前で「この県産品を献上させていただけませんか」という内容の「献上願い」を提出。それを受け取った宮内庁から「受け入れます」との返答があれば、その後、スケジュールや個数など具体的な調整に入るそうです。

県によると、宮内庁の決まりで「これまでに献上したことのない新規の県産品の献上は受け付けていない」。つまり、県内では桑折町のモモと会津若松市の柿しか献上できない決まりとなっているということです。

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