千曲市で6月29日に、特産のアンズが主役のイベントが開催されました。
この時期しか味わえない、取れたてのアンズの販売。
千曲市で29日に開かれた「あんずフェア」は、6種類およそ300キロが完売するなど、今年もにぎわいました。
岡谷から:
「8時半過ぎに着きました。すでに結構並んでたから、ちょっとびっくりしましたね」
茨城から:
「生で食べるのは初めてなんです私」
佐久から:
「いいですよね大きくてね。素晴らしいです」
一方、関係者はイベントの盛況の影で、ヒヤヒヤしていたといいます。
信州千曲観光局の担当者:
「大変今年は早く取れていまして」
「アンズの確保に大変苦労を致しまして、そこがとにかく心配でした今年は」
例年6月中旬から収穫が始まる千曲市のアンズですが、信州千曲観光局によりますと、今シーズンは5月に真夏日を記録するなど気温の高い日が続いたため、収穫は例年より3週間も早まりました。
宮入キャスター:
「千曲市森のアンズ畑にやってきました。西村さんよろしくお願いします」
「きょうはアンズの収穫ということで、さっそくその格好なんですけども」
アンズの収穫といえば「浴衣」というのは皆さんご存知ですか?
宮入キャスター:
「いわゆる旅館で着る着方と違いますよね?」
西村さん:
「そうですね」
「中に裾を入れて、お腹のところで結ぶ。そうするとここがちょうど袋になるんですよ」
宮入キャスター:
「背中の方にまで入るってことですか?」
西村さん:
「そうです」
これが、アンズ収穫スタイル。
袖の中に、収穫したアンズを入れると、背中の方までたっぷり収納。
しかも、袖をカットしてあるので、両手でじゃんじゃん収穫できます。
宮入キャスター:
「これ誰が考えたんですかね」
西村さん:
「私もわかんないですね」
「もう昔っからこれなんですね」
千曲市でアンズを栽培する農家の西村今朝良(けさよし)さんも、今年は収穫のシーズンが早く訪れたと話します。
この日は主に、ジャムやシロップ漬けなどに加工される品種、「昭和」を収穫していました。
実ったアンズは軽くひねるだけで簡単に収穫できます。
宮入キャスター:
「これいきますか。はい、くるりぽろっと取れました。いい色ですね、オレンジ色に色づいています」
「どんどんいきましょう。ほいでこれをここに入れる。簡単ですよね、口動かさずに手を動かしていくとぽろっと。すぐ熟しちゃうってことですか、アンズっていうのは」
「だからどんどん取っていかないといけないんですね。両手使えて両手こうやって入れられるっていうのがいいですね」
朝、起きるのは、午前4時半。
旬が短いアンズは短期間で一気に収穫します。
宮入キャスター:
「お好きですか?アンズは」
西村さん:
「アンズは好きですよ」
「取ってる最中にいいのがあったら、はしごの上で食べちゃいますね」
「ハーコット」は生で食べられる人気の品種です。
収穫の合間に、熟したものを特別にいただきました。
宮入キャスター:
「んー甘い」
「こんなに濃厚な甘さになるんですね。皮に近い部分に少し酸味が残っていてアンズならではですね」
収穫したアンズは、地元のJAなどに出荷します。
高温により生育が早まったものの、今年は霜やひょうによる被害はなかったため、出荷量は前年並みということです。
一方で、千曲市のアンズ農家は近年、減少傾向にあるといいます。
西村さん:
「この畑も私はやるけど、その次がどうなるかはわからないような状況ではありますよね」
「花見のころですか、アンズの木は少なくなってきてるなっていうのは。ちょっと寂しい思いはありますよね」
「一目十万本」と言われるアンズ畑を守ろうと、森地区では2011年にNPO法人「あんずの里振興会」を設立。
高齢農家の畑を手伝うことで遊休農地となってしまうことを防ぎ、草刈りや街路樹の手入れなど幅広い活動を行っています。
また、高校生や大学生も参加し、地域で故郷の景色を守っています。
西村さん:
「手塩に(かけて)育てたアンズなので、食べていただきたいですよね」
「種類がいろいろあるので、皆さん自分の好みを見つけてもらいたいなと思いますね」
手塩にかけ育てられるアンズ。
ファンは県外にも増えています。
東京から:
「昨日アンズ狩りをして食べました」
「東京にはないので生で食べたの初めてでした。おいしかったです」
毎年、収穫の時期にあわせて「あんずの里振興会」が開く、ジャムとシロップ漬けの手作り体験。
あんずの里振興会会員 西村枝里子(にしむらえりこ)さん:
「毎年大人気で予約がすぐ埋まっちゃうぐらいにリピーターの方がとても多い講座になっていまして」
「皆さん慌てて電話をかけてくれるので、一日中電話なりっぱなしの状態です」
1日5回ずつ、毎日開かれる講座は6月22日から始まり、全ての回が満員御礼!
参加者は県の内外からおよそ200組です。
参加者東京から:
「実は昨日も来たの毎年来てるの」
「おいしくできたと思います」
「煮詰めていくうちに色が変わっていくのとか工程とかすごく楽しかったです」
「家帰ってから楽しみですね」
振興会の西村さん:
「来てくれたお客さんの笑顔で報われるっていうか、またエネルギーになるなと思って活動できてます」
「高齢化でだいぶアンズを切っちゃう農家も多いので、何とか維持していこうということで皆さん頑張ってやっています」
「農家さん一生懸命作っているアンズをぜひ皆さんにおいしいっていう風に言っていただきたい」
旬が短いアンズだからこそジャムにして長く美味しく。
そして、生で味わえるのはいまだけ!
旬が足早に訪れている今年は特にお早めに!
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