2021年、北海道旭川市でいじめを受けていた当時中学2年の女子生徒が凍死した問題で、市の再調査委員会は30日、今津寛介市長に女子生徒の自殺は、いじめが主な原因である可能性が高いなどとまとめた報告書の内容を伝えました。
2021年、旭川市でいじめを受けていた広瀬爽彩さんが公園で凍死した問題をめぐっては、おととし9月、旭川市教育委員会の第三者委員会が、同じ中学校の先輩ら生徒7人によるいじめがあったことを認めたものの、「いじめと自殺との因果関係は不明」と結論づけていました。
いじめと自殺の明確な因果関係を認めなかったため、広瀬さんの遺族側が不服とし、旭川市の今津市長は、教育評論家の尾木直樹氏を委員長とする直属の再調査委員会を設置。これまで1年半にわたり、検証をすすめてきました。
そして30日午後、再調査委員会は、今津市長に調査終了を報告し、広瀬さんの自殺はいじめが主な原因であった可能性が高いとする報告書の内容を伝えました。
なお再調査委員会は旭川市の情報管理態勢に懸念があることや、漏えいした情報をめぐっての異常な状況を踏まえて、現時点で報告書の提出は行わないとしています。
■再調査委員会の主な報告内容
・遺族や広瀬さんと関係があった児童や生徒、教員など34人聴取
・いじめは性的なものも含めて7項目(第三者委員会は6項目)
・中学校は、広瀬さんの心身の苦痛を踏まえたいじめの認知、いじめへの対処を怠った
・旭川市教委も、学校に対して指導助言することを怠った
・いじめが自殺の主な原因であった可能性が高い(第三者委員会は因果関係は不明)
以下は、おととし9月に第三者委員会がまとめた報告書
□第三者委員会が認定した、いじめ6項目
1.性的な話題をくり返す、体を触る
2.深夜や未明の公園などへの呼び出し
3.飲食代をおごらせる
4.性的な画像の送信の強要
5.性的な行為の強要
6.性的なからかい
◇関与したのは、同じ中学と他の中学の上級生の男女7人
この問題をめぐっては、第三者委がまとめた報告書とみられる文書が“黒塗り”ないままインターネット上に流出、現在は削除されていますが、遺族側の弁護グループがサイトの運営者の刑事訴追を求める申し入れ書を市教委に提出しています。
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