東京女子医大(東京都新宿区)が発注した施設工事で、同大の岩本絹子理事長の関係者が代表を務めるコンサルティング会社3社が、施工業者などから「工事受注に関するコンサル料」を受け取っていた疑いがあることが、東京新聞が入手した資料や関係者への取材で分かった。3社からは、岩本理事長の側近らに給与が支払われていたとみられる。

◆3社から同窓会元職員に給与として5000万円超入金か

 資料や登記簿によると、3社の代表は岩本理事長が経営する「葛西産婦人科」(江戸川区)の女性従業員。3社は2016〜22年、同大の施設再整備の工事を受注した複数の業者から、コンサル料名目で計1億円超を得たとされている。

東京女子医大(資料写真)

 3社からは、葛西産婦人科の従業員や関係者、岩本理事長が会長を兼ねていた同大の同窓会組織「至誠会」の元職員ら6人の口座に、給与として少なくとも5000万円超が入金されていたとみられる。  同大を巡っては警視庁捜査2課が3月、至誠会元幹部職員らが勤務実態がない女性職員に対し、給与を支払って会に損害を与えたとする特別背任容疑で、大学本部や岩本理事長の自宅などを一斉捜索した。  関係者によると、この女性職員も葛西産婦人科の出身で、コンサル会社の運営に関わり、施工業者との交渉などを担っていた。コンサル会社の給与支払先にはこの女性職員の母親も含まれていた。女性職員はすでに至誠会を退職している。  東京女子医大は警視庁の捜索を受け、一連の問題を調査する第三者委員会を設置している。同大広報室は「調査や検証は第三者委に委ねている。現段階でコメントは差し控える」としている。  

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