和歌山県南部に建設中のトンネルでコンクリート内部に空洞や厚さが不足していた問題で国交省の近畿地方整備局は、建設業法に違反していたとして40日間の公共工事の営業停止を命じました。

 建設業法違反に基づく営業停止を命じられたのは和歌山市に本社がある建設会社「浅川組」です。

 問題となっているのは、和歌山県串本町と隣接する那智勝浦町とをつなぐ、全長710mの「八郎山トンネル」で、おととし(2022年)の9月に完成、引き渡しされ、去年12月に供用が開始の予定でした。

 しかし、おととし12月、照明の設置工事をしていた際、コンクリート内部に空洞があることがわかりました。また、空洞に加え、コンクリートの厚さが不足している箇所が複数あることも判明、設計上、厚さ約30センチ必要な所が最も薄い所でわずか「3センチ」しかありませんでした。この他にも鋼材が適正な位置からずれているなど、複数の施工不良が発覚していました。
 
 また、八郎山トンネルを巡っては、和歌山県が実施した外部の有識者らによる調査で現場所長らが書類を改ざんし、虚偽の書面を提出、その後の完成検査などを合格させているなどの事実が判明していました。

 国交省・近畿地方整備局はこうした状況などから建設業法に違反しているとして、施工を担当した「浅川組」に対し公共工事の営業停止を命じる監督処分を25日に行いました。営業停止期間は7月10日からの40日間で、停止の対象範囲は近畿2府4県と福井県での土木工事のうち公共工事に係わる範囲だということです。

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