熱中症というと真夏のイメージがありますが、実は梅雨時期も注意が必要です。いわゆる”梅雨型熱中症”の予防や対処のポイントについて、専門家に聞きました。

湿度が高い日は注意

大分県内は6月17日に梅雨入りしたものの、各地で真夏日を観測。夏本番を前に熱中症患者が増えています。

大分市消防局救急救命士・甲斐淳一さん

(大分市消防局救急救命士・甲斐淳一さん)「5月頃から熱中症の患者が発生しています。これから夏を迎えますので熱中症の発件数も増えていくと予想されています」

県内では6月16日までの1週間、熱中症疑いの救急搬送者は30人で、前の週から2倍以上に増加。6月14日には大分市の高齢男性(70代)が駐車場の車内で熱中症となり、死亡しました。

ジメジメとした日が続く梅雨時期に注意したいのが、いわゆる”梅雨型熱中症”です。大分大学の塩田医師は、湿度が高い日は注意が必要と話します。

(大分大学医学部・塩田星児准教授)「湿度が高いと、湿度が低いときよりも汗の蒸発が少なくて体温調整が調節がしにくくなるので、体に熱がたまりやすく熱中症を発症する方がいる」

水分を取らない、エアコンつけない=危険行為

過去5年間、県内の熱中症の疑いで病院に運ばれた人数は4000人あまり。このうち、梅雨時期に搬送された人は3割以上にのぼっています。

予防のポイントについて、体を暑さに慣らす「暑熱順化」が大切です。

(大分大学医学部・塩田星児准教授)「梅雨の時期はまだ汗をかき慣れていないので普段から少し運動したり、お風呂に入ったりして、汗をかく練習をするのが一つ重要です」

また、この時期は気づかないうちに脱水症状となるケースも多いため、こまめな水分補給やエアコンの適切な活用が大切です。

(大分大学医学部・塩田星児准教授)「暑いけど我慢して水分を取らない、エアコンつけないなどの行為はむしろ危険なので、きちんと水分を取って積極的にエアコンを使って体温調節してほしい」

熱中症になった場合の対処法

万が一、熱中症に陥った場合の応急処置として涼しい場所に患者を寝かせて、体を冷やすことが重要です。

(大分市消防局救急救命士・甲斐淳一さん)「首と脇の下、太ももの付け根辺り、この部分に保冷剤などを置いて体を冷やすというやり方が一つあります」

イメージ

このほか、自力で水分補給ができない場合は、食物などが気管に入ってしまう誤嚥(ごえん)の危険があるため、無理して飲ませないことが大切です。

(大分市消防局救急救命士・甲斐淳一さん)「意識がはっきりしない、体温が非常に高い、そういった状況の時には早期に医療機関での診察が必要になるので迷わず119番をして下さい」

梅雨でも油断できない熱中症。日頃から十分な対策が必要となります。

鄭重声明:本文の著作権は原作者に帰属します。記事の転載は情報の伝達のみを目的としており、投資の助言を構成するものではありません。もし侵害行為があれば、すぐにご連絡ください。修正または削除いたします。ありがとうございます。