『家事がしやすい』『子育てしやすい』をコンセプトにした住宅が、長野市内に完成しました。

実はこの家、ほかの住宅とは大きく異なる、ある特徴があります。

長野市川中島町上氷鉋(かみひがの)に、15日土曜日に完成した3LDKの平屋建て住宅。

SBCニュースワイド・宮入千洋キャスター:
「すごい。天井が高いですね。広くて開放感のあるお部屋です。新築の香りがします。きょうはよろしくお願いします」

この家を建てた池田建設の中澤悟さんと、設計プランを考えた深尾美希さんに案内してもらいました。

コンセプトは『家事や子育てがしやすい家』、その特徴は?

深尾美希さん:
「洗濯動線なんですけど(洗濯動線?)」」

その動線のスタートは、脱衣所にある洗濯機。

洗濯を終えたら隣の部屋へ。

宮入キャスターと深尾さん:
「すごいですね。洗濯してすぐお隣が、洗濯ものをかけて乾燥できる部屋になっている?」
「はい」
「でお隣りが?」
「お隣りがファミリークローゼットといって」
「ファミリークローゼット?」

洗濯、乾燥、さらにその隣が、家族分の衣類を収納する部屋になっています。

「干して乾いたものをこっちに持って来て、ここにしまうっていう一連の流れが一直線になっているので、時短になるようになっています」
「なるほど」
「どなたのアイディアですか?」
「それは私です」

ほかにも、キッチンからは、リビングダイニングや書斎、子どもの勉強部屋としても使えるスタディスペースが広く見渡せ、家事をしながら子どもの様子が感じられる作りになっています。

この家、実は…

深尾美希さん:
「高校3年生の春ごろから平面図を考え始めて」

深尾さんが、高校生のときに設計プランを考えたものです。

池田建設では、2022年、2023年と、長野工業高校の建築学科の生徒に、住宅の設計プランを依頼。

2024年は4人から応募があり、プレゼンの結果、当時3年生だった深尾さんの設計プランが選ばれました。

深尾美希さん:
「(実際できあがってどんなお気持ちですか?)素直にうれしいし、感動してます」
中澤悟さん:
「ものづくりの大切さとか面白さをわかってもらえればいいかなと思って、この企画のプロジェクトを作りました」


建設業界が直面している人材不足。

中澤さんは、家づくりの魅力を共有し建築を志す若者を育てたいと、高校生とのコラボ住宅を企画しました。

住宅の設計は初めてという高校生をサポートするため、プラン完成までの8か月間、学校に足を運びアドバイスを送りました。

中澤悟さん:
「なかなか僕らって頭固いんで、何年もやってると。新たなアイディアっていうのもあるし、そういうのが楽しいかなと思います」
深尾美希さん:
「私もいま建設業界で働いているんですけど、実際に使う人のことを考えて設計することの難しさと、実際に建てたときの感動。とてもいい経験になったなって思っています」
中澤悟さん:
「彼女は、将来図書館を作るのが夢だって話を聞いているので、こういうスタディスペースも魅力的だなっていうふうに感じていますね」

同じ分譲地にはもう1棟、コラボ住宅があります。

2階建ての3LDKで、4月に完成。

2022年の卒業生、池田琴菜さんが設計プランを考えました。

この家の最大の特徴は『スキップフロア』と呼ばれる、中二階にあるリビングです。

池田琴菜さん:
「分譲で家と家が近いの、目線を合わないようにしたいなと思って。1.5階に上がっているので、外と目線が合わない。こちらの家の1階と目線が合わない。(下のスペースは)子どもが小さい時は遊び場として。大きくなったら物置きとして使ってもらいたいです。自分が思っていたよりすごい住宅になっていました。いろんな人が係わって一つの住宅ができるんだなって改めて実感して、とてもありがたかったです」

池田さんは現在、石川県の金沢工業大学で建築の勉強をしていて、将来は長野県で住宅の設計の仕事に就きたいと話します。

池田さん:
「最近まではカフェの設計をしていて、今週からは住宅の設計の勉強をしています。住む人が安心して帰ってきたくなる家を作りたいです」

一方、コラボ住宅に取り組んだ結果、長野工業高校ではこんな反響も…。

長野工業高校建築学科・森田卓教諭:
「定員割れする学校が増えてきている中で、定員を満たすことができました。建築を目指してくれる子が増えてきていることが嬉しいなと今感じています」

池田建設の松井快さんも、長野工業高校の卒業生。

今回のコラボ住宅では、初めて現場監督を任されました。

松井快さん:
「実際に、更地からこうして建つのを最後まで係わってみて、達成感もそうですし、感動もしました。住む人から感謝されるようなすごい住宅を作ってみたいです」

建設業界と将来の担い手をつないだ、高校生とのコラボ住宅。

池田建設・池田章社長:
「必要とされる仕事をする人を育てるていうことも大事かと思ってますので、地域のために役に立つことをしたいということが一番です」

住む人を思い、地域を思う。

家づくりの現場でしか味わえない魅力が、次の世代へと受け継がれます。

中澤悟さん:
「ものづくりの楽しさをもっともっと知って、本当にこの業界は楽しいと思ってもらえればいいかなと思います」

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