北海道最古の温泉として知られる北海道南部の知内温泉。老舗温泉宿が生き残り策として選んだのは近年ブームの「サウナ」です。
加水も加温もしていない、「源泉かけ流し」が自慢の知内温泉。
1205年に発見されてから800年以上、枯れることなく湧き出ている秘湯です。
古くから湯治場としても親しまれてきましたが、現在は利用客の多くが60代と高齢化しています。
そこで危機感を抱いていた18代目湯守の佐藤昌人さんが目をつけたのが、ライバル視してきた「サウナ」です。
知内温泉 佐藤昌人専務
「温泉の息子というのもあってサウナが嫌いだった。1回入ってみろと言われて、入ったら本当に気持ちいいなと思って」
佐藤さんは、サウナ研究家らとプロジェクトチームを立ち上げ、ついに理想のサウナ施設が完成しました。
建物は道南スギを使った合掌造りで8人がゆったりと利用することができます。
また、温泉宿ならではの楽しみ方も。
藤田忠士記者
「知内温泉のいいお湯です。実は、こちらのサウナ、利用前にこうやって、温泉につかって体を温めるのがおすすめなんだそうです」
サウナ通の間で「湯通し」と呼ばれる、この作法。
サウナに入る前に湯船に浸かって体を温めておくことでより汗をかきやすくなり、「ととのう」までの時間を短縮できると言います。
さらにサウナ室のストーブは日本で初めて導入されるエストニア製で室温は熱めの100度に設定。
外から新鮮な空気を取り込み、室内を循環しているほか、温泉を引き込むことで湿度を保っています。
体験した人
「やばいです。気持ちいい」
「サウナに入りながら温泉の音を聴けるってすごい新鮮で癒される」
北海道最古の温泉地が次の800年を見据え、新たな一歩を踏み出そうとしています。
知内温泉 佐藤昌人専務
「いいサウナがあるってなると、全国いろいろなところへ行く人が多いので、とりあえず、すごいいいサウナを作りたい」
知内温泉のサウナは、22日オープンで予約が必要です。
北海道にはほかにも、サウナを観光資源とした面白い取り組みをしている場所があります。
■当麻町 キャンピングサウナバス…バスの中には地元の木材を使用したサウナがあります。「ふるさと納税」の返礼品としても評判なんだそうです。
■札幌市 定山渓サウナ天国…ホテルなど16施設が様々なサウナを展開する定山渓。豊平川の源流を使った「水風呂」や「熱燗サウナ」などアイディアいっぱいのサウナを展開しています。
■千歳市(支笏湖) ノー電力屋外SAUNA…丸駒温泉にある湖畔のサウナで、ポイントは、ペレット火力で環境にやさしいこと。支笏湖の水でロウリュなど自然を満喫できるサウナです。
サウナで観光資源を作ろうという動きは、全国的に広がっています。
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