17日午後11時14分ごろ、愛媛県、高知県で最大震度6弱を観測する強い地震がありました。地震が起きた場所は、南海トラフ巨大地震の想定域。注意・警戒しなければいけない点を、TBSテレビ解説委員に聞きました。

福島隆史 TBS解説委員
揺れの強さもさることながら、地震が起きた場所がいわゆる南海トラフ巨大地震の発生が予想される、南海沿いというのが気になっています。マグニチュードが6を超える地震ですから、速報値という地震発生直後のデータではありますけれども、比較的規模の大きい地震です。規模の比較的大きい地震の後には、再び強い揺れをもたらす地震が頻発することがよくあります。

ですから、今、深夜にかかる時間帯ですけれども、また強い揺れによって怪我をしたり命を落としたりしないような、そういう対処が必要になってくると思います。

ひとまず、津波の心配がないと言うのは、いい材料だと思うんですけど、震源が非常に海に近い、豊後水道というのは海底ですから、ひとたびこれより大きい地震があるとすれば、津波の心配は引き続きありますので、その辺りは念頭に入れてください。深夜ではありますけれども、また強い揺れ、もしくは津波警報なんかをもたらすような地震が、たて続けに起きることがあるんだったら、すぐにでも安全な場所に避難できるような心の準備はしておいていただきたいなと思います。

気象庁は18日午前1時過ぎに記者会見をして、今回の地震の中身や見通しについて記者発表しますけれども、それについてもできるだけこの情報を注視していただきたいと思います。

ーー愛媛県の宇和島市内で水道管破裂の情報も

震度6弱、非常に強い揺れですから、人的被害がそれほどないにしても、いわゆるインフラ、電気・ガス・水道それから通信・・・こういった設備に局所的に被害、あるいは影響が出ている可能性はあると思います。
しかも、この時間帯は夜ですから、実際にその影響がはっきりわかるまでに明るくなるまでわからないということも予想されますので、特に情報が入ってないから被害がないという受け止め方をするのはまだ早計だと思います。このあたりは慎重に見極める必要があると思います。

ーー南海トラフ巨大地震の想定域にあると。注意・警戒しなければいけない点は?

まだ、この時点ではなんとも言えません。しかも、もし注意が必要であれば地震発生からしばらく時間が経っていますので、気象庁から情報発表があるはずですが、それはありません。気象庁が考える“もし南海トラフ地震に影響があるような地震”であれば、それはマグニチュード6.8とか7クラスの地震と基準が設けられてますので、それよりは明らかに下回る地震ですから、今回の地震活動が南海トラフ地震に直接結びつくような証拠が今、ない。念のための注意というのはしておいた方がいいに越したことがないんですけれども、そこまで心配する必要は恐らくないんだろうというふうに思います。

ーー再び震度6弱程度の地震が発生する可能性がある?

恐らく、このあと気象庁が午前1時10分の記者会見でも、同じ程度の規模・揺れをもたらす地震については1週間程度注意してくださいとメッセージを発すると思います。特に、地震発生直後の2、3日については極めてその可能性が高いと。これは過去の統計上言えることなので、地震が発生した直後の今の時間帯というのは特に注意して欲しいということになると思います。

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