仙台銀行と山形市のきらやか銀行の持ち株会社「じもとホールディングス」の株主総会が仙台で開かれました。業績不振の影響で国の実質的な管理下となっていて、総会では社長らが陳謝し株主からは心配の声が聞かれました。

仙台市青葉区の仙台銀行本店には、午前10時の株主総会を前に株主が続々と入っていきました。

株主:
「心配というより、原因追究がホールディングスになってからあいまい」
「個人的には仙台銀行ときらやかは分かれた方がいいと思う」

じもとホールディングスは、きらやか銀行の業績悪化を反映して今年3月期の連結決算で過去最大となる234億6200万円の赤字となり、期末配当を無配としました。

総会は報道非公開で行われましたが、株主によりますと鈴木隆社長や川越浩司会長が業績不振や無配当について陳謝したということです。

仙台銀行

国から公的資金の注入を受けているじもとホールディングスは、発行した優先株の影響で国の議決権が63.1%と過半数となったため、一時的に実質、国の管理下となっている状況にあります。総会では、株主から業績建て直しのための戦略や見通しについて質問が出たということです。

株主:
「(質問者は)命かけてやってくれって、はっきり言っていましたよ」
「人材を育てられるようしっかりしていかないと続かないのでは。ダイレクトコミュニケーションをしっかりするよう提案した」
「仙台銀行の仕組みや考え方をきらやか銀行に指導しながらやっていくという話はあった」

鈴木社長と川越会長は、今年9月の期限までの返済が難しくなっている公的資金200億円について、国との協議にめどがついた段階で、経営責任を取って辞任する方針です。

じもとホールディングスの状況を改めて見ていきます。傘下の仙台銀行は黒字ですがきらやか銀行の赤字が影響し国から公的資金を受けています。このため国には「優先株」という株が発行されています。優先株は普通の株式よりも優先的に配当を受け取れ、通常は議決権はないものの無配当の場合は議決権が発生します。今、じもとホールディングスは優先株にも配当を出せないため国に議決権が発生していて、その割合が全体の過半数を超えました。これにより実質的に国の管理下とも言える異例の状況となっています。優先株に配当が出せるようになれば国の議決権はなくなります。

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