博多駅前の路上で元交際相手の女性を包丁で突き刺し殺害したなどとされる男の裁判員裁判です。被告人質問で男は、改めて殺人の罪を認めたうえで凶器の包丁を手にした状況について「気付いたら逆手で…」などと証言しました。
目撃女性が証言「淡々と包丁を振り下ろし『ふざけんなこのやろう』」
元飲食店従業員の寺内進被告は、去年1月、ストーカー規制法に基づく「禁止命令」を受けていたにもかからわらず元交際相手の川野美樹さんを博多駅前の路上で待ち伏せし、つきまとったうえ、胸や頭などを包丁で多数回突き刺し殺害したなどとされています。
19日の公判では、事件を目撃した女性が証言台に立ち、「女性の『やめて、嫌』という声を聞いた。男は刃物を淡々と振り下ろす感じで『ふざけんなこのやろう』と繰り返していた」などと証言しました。
被告人質問で「事件後に死のうと思ったが怖くて死ねなかった」
被告人質問で寺内被告は、改めて殺人の罪を認めたうえで、凶器の包丁を手にした状況について「気付いたら逆手で…」と証言しました。
また、事件後に落ち着くために立ち寄った飲食店のトイレでタバコを吸いながら、「人生終わった」と考えたと証言。
その後「中洲の川沿いへ向かい包丁で胸を刺して死のうと思ったけど死ねなくて(包丁を)投げ捨てて泣いていた」などと話しました。
事件から1年半「幸せな家庭を潰して申し訳ない」
弁護側から、事件を起こしたことについての今の心境を尋ねられた寺内被告は、「母親の権利を奪ってしまった。子供の成長を見せられない。幸せな家庭を僕が潰してしまった。申し訳ない」と述べました。
また、遺族への対応については、「刑務所でお金を貯めて償いたい」と話しました。
この裁判は、今月24日に結審し、28日に判決が言い渡される予定です。
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