災害が起きた際、被害状況をいち早く把握するために、ドローンの重要性は高まっています。掛川市では静岡県内で唯一、防災のための高校生ドローンチームが活動し、地域との連携を強化しています。
5月に行われた掛川市の水防訓練です。市内の川が氾濫し、一部の地域が孤立した想定で行われました。会場でひときわ注目を集めていたのが、高校生で構成するドローン防災航空隊、「Kakegawa Balloon Flower’s」です。
<高校生>
「畑を迂回し、大坂こども園のメッセージをとってきてほしいと。人がいけないところに行って自分が撮ってくる(訓練)」
実際にドローンを上空80メートルに飛ばし、1キロ近く離れた避難所周辺の状況を探ります。
「本当だ」
「見えますね」
映像から避難者の状況やけが人の有無などを確認できました。
<地域の防災委員>
「近くに(ドローン隊が)あるっていうのは強いですよね。的確に正確に。しかも映像で見せていただけるのは凄くいいことだと思う。」
<高校生>
「最初はドローンに興味があった」
<久保田崇 掛川市長>
「良いよねこうやって一生懸命やってくれて、ありがたいし心強い」
<鈴木康弘 掛川警察署長>
「将来が楽しみです。(色んな分野で)活躍してもらって」
「Kakegawa Balloon Flower’s」は2年前に設立し、現在掛川市内4つの高校の11人が活躍しています。ドローンの活用は各地で進んでいます。
2024年1月に発生した能登半島地震では、富山県などが住宅の被害状況をドローンで撮影。上空から確認することで正確な被害状況を知り、適切な支援につなげる狙いです。
静岡県内でも、2022年の台風の後に掛川市がドローンを使って土砂崩れを把握。市内には1300か所を超える土砂災害警戒区域があり、ドローンチームの活躍が期待されているのです。ドローンはいつも高校に置かれていて、災害が起きた際にはメンバーがすぐに持ち出して撮影が可能です。掛川市が、高校生で結成した狙いは「地域の防災意識の底上げ」です。
<掛川市危機管理課 新井一弘主任>
「地元に貢献したいって言っていただける生徒さんが多いので、やりがいもありますし、あとは飲み込みも早くて操縦がうまいと感じています。十分に次世代のリーダーになっていただけるかなと思っています」
高校生は夏休みを利用し、ドローンの基本的な操作をはじめ、国の飛行許可をもらうために必要な10時間以上の訓練を受けました。
<掛川工業高校2年 伊藤結菜さん>
「興味のあるドローンが、市のためや災害の役に立つことに魅力を感じて入った」
<掛川工業高校2年 松井斗優悟さん>
「市にも協力できるし、自分としても学べると思って行ってみたいとおもった」
メンバーは復旧中の土砂崩れ現場を撮影するなど、すでに災害現場で活躍中。次世代の防災リーダーがドローンをきっかけに、地域との連携を確かなものにしています。
<掛川工業高校2年 伊藤結菜さん>
「ドローン隊の活動を色んな人に知ってもらって、高校生の代表として市民の方々に頼られる存在になりたいです」
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