東京都渋谷区議会は17日、渋谷駅周辺の路上や公園での飲酒を通年で禁止する条例改正案を全会一致で可決した。これまでは10月末のハロウィーンと年末年始のカウントダウンの時期に限定していたが、外国人観光客らの飲酒マナーの悪化を受けて対策の強化が必要だと判断した。施行は10月1日。路上飲酒を通年で規制する条例は、観光地の沖縄県北谷(ちゃたん)町と長野県白馬村が設けているが、繁華街では初めて。(中村真暁)

◆夕方6時以降、宮益坂や円山町などにも拡大、罰則はなし

 規制エリアは、渋谷センター街がある渋谷駅北西側に加え、青山通りへ続く宮益坂や、ナイトクラブが集中する円山町などの地域を追加。禁止する時間帯は午後6時~翌午前5時とした。違反者への罰則は引き続き盛り込まないが、区は、委託した警備会社の警備員らによるパトロールなどで実効性を担保するとしている。  長谷部健区長は、改正案を提出した3日の本会議で「迷惑路上飲酒を起因とするゴミのポイ捨てや騒音、通行妨害は街の大きな問題」と説明していた。

渋谷センター街(左奥)から1本入った路地に捨てられたごみや酒の空き缶=13日、東京都渋谷区で(由木直子撮影)

 同区は、ハロウィーンで酒に酔った人のトラブルが相次いだことを受け、路上飲酒の期間とエリアを絞った条例を2019年6月に制定した。

◆注意喚起した75%は外国人、歌舞伎町も審議中

 渋谷駅周辺では、新型コロナウイルス感染症が5類に移行した昨年5月以降、外国人観光客らが増加。区は昨年9月から毎日、パトロールで注意喚起してきたが、休祝日の前日に注意を受けた人は4月の平均158.4人に対し、5月は163.3人と増えていた。5月は約75%が外国人だったという。  路上飲酒を巡っては、新宿区もハロウィーンの時期に限り、歌舞伎町周辺で禁止する条例案を区議会で審議している。 

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