日本サッカー協会は14日、7月25日に初戦を迎えるパリオリンピックの女子日本代表=なでしこジャパンのメンバーを発表し、アルビレックス新潟レディースのGK平尾知佳選手が2大会連続の五輪代表入りを決めました。平尾選手は「世界一をとりたい」と意気込みを語りました。

平尾知佳選手(27)
「いつも温かい応援をしていただき、ありがとうございます。この度、第33回パリオリンピック競技大会 なでしこジャパンのメンバーに選出いただきました。パリに向けていい準備をして、チームのために戦って、世界一を取りたいと思います」

午後2時すぎ、オンラインで会見を開いた平尾選手はオリンピックに向けた決意を語り、その後は記者からの質問に答えました。

―選ばれたことを聞いた瞬間にどんな思いだった?

「心境としては結構ほっとした気持ちでした」

―改めてメンバーに入ったことを聞いてから、これまでと心境が変わった部分は?

「前回、スペイン遠征のときに前半しか出てない状態で、選ばれることに対しての不安が結構あったんですけど、選ばれて本当にパリに向けて準備ができる状態なので、もういい準備して臨むだけだなって思っています」

―前回のワールドカップのときと比べて登録人数が減って、今回はそのゴールキーパーとしては山下杏也加選手とともに2人でということになりますが、お互いのサポートの質というか、どちらが出るかわからない状況で、そういったところはどんなふうにイメージしていますか?

「ご存知の通り、ヤマさん(山下杏也加選手)とはめちゃめちゃ長い関係で、17歳ぐらいから一緒にやってるんですけど、本当にお互い支え合ってずっとやってきてるので、何をどうするとか、何をしようっていうのはあんまりなくて、1人1人がベストなパフォーマンスを出せる準備を2人でするだけだと思っています。2人になったからとか言って、パフォーマンスが落ちることはないと思うので、バックアップメンバーにシュウ(大場朱羽選手)がいるので、おそらく練習も3人でやるので、あまり変わらずできるのかなっていうのはあります」

―今回は18名+バックアップメンバー4名ということで、メンバーとしてはあまり変わらず積み上げてきたことを出せるメンバーではあると思うのですが、何かこのメンバー発表を見て感じたことは?

「ワールドカップから何人かしか変わってない状態でずっと戦ってきているので、お互い何をやりたいかとか、そういうのをちゃんとわかっているメンバーなので、すごくやりやすいなというふうに思いますし、やっぱりこのメンバーで世界一を取れるだけの準備はしてきたので、すごく楽しみだなというのはあります」

―ゴールキーパーはたった1人しか試合には出られないポジションだと思いますが、改めて試合出場への意気込みを

「前回大会、東京オリンピックでは(メンバーの18人には入れず)当初バックアップメンバーで、最終的に22人の中に入りましたが、それから3年が経って、3年の中で試合に出られるように、チームを救えるキーパーになるために、この3年間やってきたので、試合出たらチームを救えるセーブなどができると思うので、試合に出られるように頑張っていきたいなと思っています」

―東京オリンピックから3年経って、自身の成長という部分はどのようなところだと感じていますか?

「3年間で近距離のシュートストップをアルビのキーパーコーチ(首藤慎一GKコーチ)と一緒にやってきて、そこはすごく伸びたなというふうに思いますし、元々長所のクロスへの対応は、日本では前は通用してましたが海外では通用しなかったので、そこを3年間で伸ばした部分もありますし、ビルドアップが苦手だったので、そこも今シーズンすごく練習したので、通用するかなと思っています」

―チームから唯一の選出とですが、改めて代表に選ばれる意義、五輪代表に選ばれるという意義はどのように感じていますか?

「18人の中で日本を代表して戦えるということはすごくありがたいことですし、本当に新潟で、アルビレックス新潟レディースの一員としてオリンピックに出場することは本当に誇りですし、新潟を盛り上げるためにはオリンピックの選手が必要だと思うので、その部分でも選出されたことは嬉しいことだなと思っています」

―10代の選手も選ばれるなどしています。チームとして、自身の役割はどのように考えていますか?

「元々チームでも代表でも、バランスを取る役目だと思っていますし、本当にオリンピックの大変さをわかっている人が重要になってくると思います。10代の選手はなかなか世界大会となると、パフォーマンスが出せるかよくわからない状態になったり、ナイーブになったりしてしまうと思うので、そこはうまくサポートしながら、チームをまとめるようにキャプテン中心にやっていきたいなっていうふうには思っています」

―前回の東京オリンピックは22人という拡大したメンバーでしたが、今回は18人と絞られた中で選ばれたということで、平尾さんの中でもやはり嬉しさや誇らしさというものが違うのでしょうか?

「前回大会は22人の中に入ったんですけど、18人に入れなかった人なので、本当
にその悔しさっていうのを感じましたし、その分、今回18人に入れたということは本当に選出されて嬉しいことだなと感じています」

―改めてチームとしても大きな選出だったのではないかと思いますが、感想をお願いします

「今シーズン、今のキャプテン(=川澄奈穂美選手)が入ってきてくれて、ずっと
五輪の代表に入る大切さを毎日のように言われていたので、選ばれて嬉しい気持ちですし、いい報告ができて良かったと思います」

―前回のワールドカップ出場時の会見のときには『日本食が恋しくなると思うので亀田製菓のお菓子を持参する』という話があったと思いますが、今回のパリ五輪“必須アイテム”といいますか、何か持っていくものは考えていますか?

「本当に亀田製菓さんのお菓子は絶対持っていこうかなと思うんですけど、そうですね、最近のお菓子を亀田製菓さんに行って、もらいたいなと思っています」

―平尾選手はJFAアカデミー福島の出身ということで、震災と避難と両方を経験されているかと思うのですが、実はアカデミー福島の活動が4月から福島に戻ってきまして、活動している選手たちにとっても平尾選手の選出ってのは励みになるかなと思います。改めて福島への想いなどを伺わせてください

「私は福島に2年間住んでいて本当に福島の人は人が温かくて、サッカーに打ち込める環境作りをしてもらっていて、本当に福島の2年間があるからこそ今の自分があると思っています。本当に福島に戻れたというのはすごく嬉しいことですし、福島でサッカーに打ち込んで、オリンピックに出られる選手をもっともっと出して、いってほしいなっていうふうに思います。それを示せる選手になれるようにやっています」

平尾選手らパリ五輪の女子日本代表は7月8日から国内キャンプを行い、13日には石川県の金沢ゴーゴーカレースタジアムで能登半島地震の復興支援マッチでガーナ代表と対戦します。そして、7月25日にパリオリンピックの初戦、スペイン戦を迎えます。

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