地震などの避難に備え、新潟県内各市町村にはどんなものが備蓄されているのか?
BSN新潟放送『ゆうなび』で県内30市町村にアンケート調査を実施し、24の市町村からの回答をまとめてみたところ、時代のニーズに合わせ、備蓄するものやその数も多様化してきているのが分かりました。
一方で、各自治体ならではの課題もあるようです。
平時からの防災啓発と非常時の情報発信の強化を目指し、BSNと『防災パートナーシップ協定』を締結している自治体のひとつ、弥彦村を取材しました。
人口7500人あまりの弥彦村には、14カ所の「指定避難所」があります。
こうした避難所の中やその近くには備蓄品の倉庫が置かれていて、全ての避難所で収容できるおよそ1400人分の保存食などを備蓄しています。
【弥彦村 防災まちづくり課 小林健仁課長】
「ここには避難所用のテントやマット、寝袋、簡易ベット、目隠しシートなど…」
しかし元日に起きた「能登半島地震」で、新潟県内有数の観光地としても知られる弥彦村には思わぬ事態が起こりました。
例年、正月三が日におよそ13万人の参拝客が訪れる弥彦神社では、地震が起きた元日にも多くの参拝客や観光客がいたのです。
弥彦村では震度4の揺れが観測され、村自体には大きな被害はなかったものの…
【弥彦村 防災むらづくり課 小林健仁課長】
「JR弥彦線が地震の影響で運行ストップし、弥彦駅や車内にも人が…」
「この指定避難所で帰宅困難者の方々に過ごしていただきました」
村では、指定避難所の1つである「弥彦村農村環境改善センター」を開放。
30人ほどの観光客がここで一夜を過ごしたそうです。
「飲料水や非常用食料、テントや寝袋を使ってもらい、携帯の充電器とかもご利用してもらいました」
ここで用意していたのは“村民分”の備蓄品ですが、観光客を受け入れたことで新たな課題が見えたそうです。
「いままで弥彦村にはあまり大きな災害がなかったこともあるし、観光客が『帰宅困難者』になってしまうことを、村として想定していなかった」
このため今後は、地元の村民以外にも、“観光客分の備蓄品”をどう備えるかについての検討も進めるそうです。
備蓄にまつわる“もう一つの課題”とは…
【弥彦村 防災まちづくり課 小林健仁課長】
「市町村によって違いますが、年々住民から情報を聞いて少しづつ備蓄する種類や数も増えているので、保管スペースが課題となっています」
村民分に加え、今後新たに「観光客分の備蓄も…」となると、その予算や保管スペースによっては、目標の数を確保できない備蓄品もあるということです。
弥彦村に限らず、新潟県内には各地にさまざまな観光地がありますので、被災した観光客の受け入れは県内全体で考える必要がありそうです。
また、備蓄品を保管する場所の確保が厳しいという点は、県内各市町村へのアンケート調査でもうかがえました。こうしたことから備蓄品について新潟県や各自治体では、家族構成や年代に合わせた自分なりの備蓄品の備えも進めるように、住民や旅行者に対して呼びかけています。
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