日々発生する交通事故。特に高齢者が運転している場合は大きく報道され、問題視される傾向があります。
山形県内でもそういった事故がありました。
7日夜、米沢市で、横断歩道を渡っていた男子中学生が普通乗用車にはねられ、頭の骨を折るなどの重傷を負いました。
警察は車を運転していた74歳の男を、過失運転傷害の容疑で現行犯逮捕しました。 ※事故現場画像は8日放送のニュースより
警察によりますと7日午後6時25分ごろ、米沢市駅前二丁目で、横断歩道を渡っていた市内に住む14歳の男子中学生が、右から来た普通乗用車にはねられ、頭蓋骨骨折などの重傷を負いました。命に別状はないということです。
男子中学生は帰宅途中でした。
現場は米沢駅近くの見通しの良い直線道路で、警察は車を運転していた米沢市の74歳の男を過失運転傷害の容疑で現行犯逮捕しました。
男は事故を起こしたことを認めていていて、警察で事故の状況や原因を詳しく調べています。
この事故は、見通しが良い場所で起きました。
こうした状況も相まってでしょうか、高齢ドライバーの事故が起きる度に話題になるのが、高齢ドライバーの事故件数と、事故の原因です。
「高齢者の事故が多い」や「高齢者の運転はあぶない」などの意見がネット上でも散見されます。
実情はどうなのでしょうか。
高齢者の割合は増えていない
統計の取り方や地域によって事情が違うなどの意見はあるかと思いますが、今回は警視庁のデータを見ていきます。 ※画像は警視庁ホームページより
まず、高齢運転者(ここでは65歳以上)の事故数。これは高齢者が第一当事者(事故を起こした際に運転もしくは歩行などをしていて過失が重い方)だった事故の数です。
2014年から去年までの推移をみると、年間で約4000~6000件。高齢ドライバーの事故件数自体が、大きく増えているということはないようです。
割合はどうでしょうか。こちらも2014年の16.2%から、去年は15.4%と、事故全体に占める高齢ドライバーの割合も、特に増えているわけではありません。
事故の原因は?
事故原因を違反別でみると、必要な安全の確認をせずに運転したことによる事故がもっとも多くなっています。
次いで交差点で安全運転を怠ったこと(徐行していない、ウインカーを出し忘れたなど)。
さらに前方不注意となっています。
違反内容は、いずれも注意力に関係があるものが上位となっていて、上位3つを合わせると7割近くになります。
ドライバー側の原因は?
運転者が原因となった場合をみると、圧倒的に「発見の遅れ」が1位で81%を占めています。「判断の誤り」「運転操作の誤り」と続きますが、発見の遅れが最も事故の原因となっていることが分かります。
このようなデータから、警視庁は、高齢運転者は安全を心がけているつもりでも、”客観的に安全運転とは言えない”ところがあるとしています。
要因は ①注意力や集中力の低下 ②瞬間的な判断力の低下 ③過去の経験にとらわれる傾向にある ことが挙げられるとしています。
注意力に関係する要因で事故が起きていることは否定できないようですが・・・では「高齢者の事故が多い」と思われるのはなぜなのでしょうか。
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