長野県の北部=北信濃の初夏の味「ネマガリダケ」が最盛期を迎えています。
高山村でネマガリ採り名人に同行。
さらに採れたてを味わえる店にもお邪魔しました。
「おはようございます。よろしくお願いします」
ネマガリダケ採りの案内をしてくれたのは、高山村の宮川栄一(みやがわえいいち)さん。
安全に楽しむためには、十分な装備が欠かせないと言います。
宮川さん:
「クマよけの笛をピーっと吹く」
クマ対策の鈴や笛のほか、肌などを守るために帽子やゴーグル、長袖に軍手などの服装がベスト。
この日は、標高1700メートル付近からスタートし、ネマガリを探します。
宮川さん:
「それじゃ、少し太めのタケノコがあるところに行きますかね」
「ダケカンバの芽吹きを見て入っていく」
宮川名人によると、ネマガリが採れるのは、ダケカンバやカラマツが芽吹きをしているところ。
日当たりがいい証拠だといい、ときどき上を見て、枝を確認しながら進むと、ネマガリが生えている場所にたどり着けるといいます。
下り続けること、およそ25分。
芽吹いた木の根元近くの薮を掻き分け、低い姿勢で探してみると・・・
橋詰記者:
「あ!あった!」
「えい! ポキッ! 採れました!」
採れたてのネマガリをその場で食べてみると。
橋詰記者:
「やわらかい!みずみずしいですね!おいしい!」
アク抜きをしなくても、えぐみがなく、少しあまさも感じる美味しさです。
低い姿勢で探すことに慣れてくると、あっという間に時間が経過します。
橋詰記者:
「タケノコ狩りに夢中になっちゃうと、自分がどこにいるかわかんなくなっちゃいません?」
宮川さん:
「わかんなくなります。僕も何回か西から来たのか南から来たのか、自分が今どこにいるのかって位置が分からなくなる。そのために、採ったら立って周りを見て目印を覚えておくことも大事だと思う」
名人でも、ときには、自分の来た道が分からなくなることがあるというネマガリ採り。
遭難しないためには、低い姿勢で採り続けるのではなく、ときどき立ち上がり、目印となる木を覚えておくことが大切だといいます。
ネマガリ採りの途中にはカモシカとの出会いもありました。
開始から1時間半。
収穫したおよそ6キロのネマガリを背負い、戻ります。
宮川さん:
「あとちょっと!見えた!よし、帰ってきた!」
太くて立派なネマガリを収穫できました。
宮川さん:
「探す楽しみが魅力になりますね。それを楽しみにしてくれる人がいるところもあって、健康なうちは来たいと思っています」
村内では観光協会が主催し、今年で3回目を迎える「タケノコ街道」キャンペーンが始まっています。
13店舗が参加し、今年からは、このうち4店舗で食事や買い物をするとプレゼントが当たるシールラリーも行われています。
そのひとつ、子安(こやす)そば文の藏(ふみのくら)。
地元の名人が届けてくれる採れたてを使ったメニューがあります。
店主の黒岩文隆(くろいわふみたか)さんが、下処理のコツを教えてくれました。
黒岩さん:
「まず、タケノコを剥くときに包丁で一本筋を引きます。剥いて、上になったら右左右左と回して取れます。茶色い部分は節があるので、その部分を取り除くとやわらかくなります」
皮をむいたネマガリに衣をつけ、高温の油へ。
ネマガリダケの天ぷらです。(1本220円)
新鮮なネマガリの素材の味をそのまま楽しめます。
男性:
「すごいサクサクしていて美味しいですね。初めて食べましたけど、美味しかったです」
女性:
「おいしいです」
橋詰記者:
「いただきます! やわらかくて、とってもおいしいです!タケノコのイメージってかたいイメージだったんですけど、とってもやわらかいです」
この店自慢の地元の粉を使ったざるそばとの相性も抜群です。
さらに、この時期はご飯ものとセットになる味噌汁が、タケノコ汁の日もあるといいます。
黒岩さん:
「ここに来てくださったお客様に、高山村を食べてもらうということが僕の1つの目標なので、できるだけ高山村でできたものをお出ししたいなと。今だけの旬を味わいにお越しください」
新緑の高山村でこの時期ならではの味が楽しめる「タケノコ街道」キャンペーンは、6月30日まで行われています。
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