記者会見で「1日も早い法案成立を」と求める女性ら=7日、東京都千代田区で

 悪質ホストクラブの女性客が高額な売掛金(つけ払い)の支払いなどを求められる問題を巡り、被害者や家族が7日、国会内で記者会見して窮状を訴えた。被害防止に向けて風営法の改正を目指す動きも出てきた。 (中村真暁)

◆「娘はマインドコントロールされた状態」

 「家族の平穏はめちゃくちゃに壊された」。ホストクラブ来店後に風俗で働き出した大学生の娘(20)を持つ女性は訴えた。  娘が知人に誘われて、初めてホストクラブを訪れたのは昨年10月ごろ。ホストと交流サイト(SNS)でのやりとりや外出をするようになり、2カ月後には風俗で働き始めた。その後、「大学を辞める。邪魔する家族と関わりたくない」と実家を飛び出し、今はどこにいるかも分からない。  女性は「娘はマインドコントロール(洗脳)された状態で、被害を認められない。利用価値がなくなり捨てられるのが目に見えるが、家族には娘の代わりはどこにもいない」と強調。最初に多額の借金を背負わせ、風俗に行かせる手口が横行しているとし、「売掛金が規制されれば、被害者は減る」と訴えた。

◆立憲民主党が「悪質ホスト対策」で法案を衆院に提出

 東京都新宿区の繁華街・歌舞伎町などでは昨今、売掛金返済のため売春などを余儀なくされる女性客が増加。批判が強まる中、歌舞伎町のホストクラブは昨年末以降に業界団体を設立し、売掛金を全廃する自主規制を始めたが、料金を前払いする「前入金」の手法が採られるなど被害は絶えない。  国会では立憲民主党が7日、風営法の改正案を衆院に提出。ホストクラブなどに対し、客に支払い能力を超える高額債務を負わせることを禁じる中身だ。  この日の会見には10代のころ、ホストに多額の借金を負わされた経験がある女性も出席。「法案成立により、女性の自己責任とするのではなく、性的搾取を許さない社会になってほしい」と求めた。 

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