沖縄県では、6月16日に県議会議員選挙が行われます。4年に1度の選挙を前に、県議や県議会の役割について考えます。

県議会とは何をするところ?

そもそも県議会とは何をするところだと認識されているのか、街で聞いてみると。

▽県民 「具体的には分からない」「特に想像したことないですね」

意外と県民から見えていない、県議や県議会の役割について、県議会事務局の担当者に話を聞きました。

▽県議会事務局 佐久田隆政務調査課長
「沖縄県には146万人以上の県民がいて、様々な方々がいます。その課題の解決に向けて全ての県民の皆さんが集まって話し合いをすることは現実的ではありませんので、地域から代表を選んで話し合いをする必要がある。ということでその代表者が県議会議員です」

県議たちは、県民の意見や要望を届ける、地域と県の橋渡しをする役割を担っています。また県の政策や予算を確認し、それが県民の意見を反映させたものになっているのかを議会で審査・審議します。
「県議会の決定」をもって、知事は県民の暮らしをより良いものにするための行政サービスを提供できるようになるわけです。

報酬は月75万円、期末手当は283万円。高額報酬に相応の責任と役割

48議席ある沖縄県議会。現職議員で見ると平均年齢は61歳。気になる報酬は条例で定められていて、一般議員は月額75万円。年に2回支給される期末・勤勉手当はあわせて283万5000円です。議長や副議長はそれぞれ一般議員よりも高く設定されています。

沖縄県議会では、こうした議員報酬とは別に、実は全国でも珍しい処遇があります。それは県議1人ひとりに与えられた個室。「議員居室」です。

戦後の米国統治下で、琉球政府の立法機関だった議会「立法院」では、米国の政治文化の影響を受け、議員1人ひとりに個室が与えられていました。その流れを汲み、沖縄が日本に復帰した後も、議員居室を与える慣習が残ったのです。

議員居室は、大国に翻弄され苦難の歴史を歩む県民の負託に応えようと、議員が悩み考えた場所でもあります。一方、現在の県民の関心はー

ー県議選が6月にあることは?
▽県民 「知らないです」

ー県議会は傍聴できると知っていますか?
▽県民 「知らなかったです」「見に行ったことない。知らなかったです。見に行けるんですか?」

こうした状況に県議会事務局では、SNSを活用した発信のほか、本会議の開会中は議会棟の前に「のぼり」を設置して、開会中であることをアピールしています。のぼりがみえたら傍聴チャンスです。なかなか立ち入る機会のない県議会ですが、実は会期中、誰でも中に入ることができるんです。

中で簡単な受付をすれば議会を傍聴することができます。議場内は議長席を中心に48議席が、「会派」と呼ばれるグループごとに分かれて座っています。議長席からみて左側が県政与党(基本的に知事の県政方針に同調し支える側)、右側が野党(基本的に知事の県政方針と対立し批判的にみる側)、となっています。



本会議では、基地問題など複雑な沖縄の課題について、様々な視点から白熱した論戦が繰り広げられることもあります。

▽県議会事務局 佐久田隆政務調査課長
「(県議)は ”県民の代表” という位置づけです。県議会は県知事が事務執行のなかで重要なもの、条例や予算を審査する場所ですので、そこで議論する議員を皆様の地域の代表として送り出していただきたいということで、関心をもっていただけたらなと思っています」

6月7日告示(選挙の実施が公式に周知される)、16日に投票、その日のうちに開票される県議会議員選挙。投票する私たち1人ひとりの選択に、沖縄のこれからが委ねられます。
(沖縄県議選取材班)

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