30年ぶりに復刻した電子楽器を手掛けたのは、浜松市にある鈴木楽器製作所。2023年に創業70周年を迎えた、鍵盤ハーモニカなどを作る国内トップのメーカーです。

<鈴木楽器製作所開発部 堀内優さん>
「オムニコードは、1981年に鈴木楽器製作所が開発し、販売したオリジナルの電子楽器です。オートハープという弦楽器の電子化を目指して開発しました」

どのように演奏するのでしょうか?

<鈴木楽器製作所開発部 堀内優さん>
「『コードボタン』を押して…これだけでコードの音が鳴ります。そして『ストラムプレート』という部分を擦ることで、和音を演奏することが出来ます」

「C」や「Am」などのコードボタンを押すだけで、コード演奏ができます。さらに、プレートを指でタップしたり、スライドさせると、コードと対応した4オクターブの音が鳴り、簡単に曲の伴奏ができるんです。従来と比べ、使える音色も増えました。

<鈴木楽器製作所開発部 堀内優さん>
「アナログの音色がオムニ1に割り当てられています。ほかにもハープ、ピアノ、ギター、バンジョーなども入っています」

学生時代から音楽に親しんでいた開発担当の堀内さんに演奏してもらいました。

<浜松総局 野田栞里記者>
「今まさに、ここで音を出して組み合わせて作ったということですね」

<鈴木楽器製作所開発部 堀内優さん>
「そうです」

「オムニコード」はユニークな見た目と音色で、発売から間もなく欧米中心に人気が広がります。

1980年代特有のユニークな電子音と、オムニコードならではの音楽表現がマッチし、ミュージシャンにも支持されました。

<鈴木楽器製作所営業部 鈴木奈緒さん>
「こちらが歴代のオムニコードたちです」

1981年から99年にかけて製造された8つのモデルは、累計14万台以上の売り上げを誇ったものの、製造は打ち切られました。

<鈴木楽器製作所営業部 鈴木奈緒さん>
「当時は一部の部品が調達困難となり、継続して製造するというのが少々難しい状況になったことと、販売台数も徐々に減ってきてしまいましたので」

しかし、販売が終了しても世界中の愛好家たちに根強い人気があり、フリマアプリなどで高値で取引されています。

オムニコードの復活を望む声も多く、鈴木楽器は創業70周年を記念して復刻発売を決めました。記者が挑戦してみました。

<浜松総局 野田栞里記者>
「できました…」

<鈴木楽器製作所開発部 堀内優さん>
「上手です」

<浜松総局 野田栞里記者>
「この電子音が気持ちいいですね」

懐かさが漂うレトロな音色が、令和の時代に戻ってきました。

<鈴木楽器製作所営業部 鈴木奈緒さん>
「ぜひ楽器ビギナーの方、触るだけで大変楽しい楽器です。難しいことを考えずに、まずはお手に取って楽しんでいただけたらと思います」

「オムニコードOM-108」市場想定価格 7万7800円(税込)
【問い合わせ先】鈴木楽器製作所
053-461-2325(午前8時~午後5時)

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