世界遺産登録を目指している新潟県の「佐渡島の金山」について、ユネスコの諮問機関が日本時間6日、追加情報の提出を求める「情報照会」の勧告を出しました。

ユネスコの諮問機関=イコモスの勧告には4段階あり、日本は今回初めて、上から2番目の追加の情報の提出を求める「情報照会」の勧告を受けました。

イコモスは評価として、「佐渡島の金山」について「世界遺産登録を考慮するに値する価値があると考える」としています。

そうしたうえで、3点の追加情報を要請しました。

一つ目は、江戸期より後の証拠が大部分を占める相川上町の北沢地区(下山之神町・坂下町・北沢町・弥十郎町)を資産範囲から除き、推薦資産の範囲を修正すること。

二つ目は、構成資産「相川鶴子金銀山」の資産を守るために、開発を抑制する範囲=緩衝地帯をさらに沖合いに広げること。

三つ目は、鉱業権の所有者が推薦資産または緩衝地帯の範囲内で商業採掘を再開しないという明確な約束を示すこととしています。

この主な3点に加えて、さらに配慮することが求められることとして8点を挙げています。

そのうち1点で、「鉱業採掘が行われていたすべての時期を通じた推薦資産に関する全体の歴史を現場レベルで包括的に扱う説明・展示戦略を策定し、施設・設備等を整えること」と指摘しています。

この「全体の歴史」との指摘が朝鮮人労働者に関することが含まれるかどうかについて文化庁は、「『全体の歴史』との指摘のため、どのような範囲として示していくのか関係省庁と検討していく」としています。

文化庁によりますと、去年の世界遺産委員会では、イコモスの勧告で「情報照会」となった文化遺産6件すべてが「登録」となっているということで、日本政府は、来月、インドで開催される世界遺産委員会での「登録」を目指し、新潟県や佐渡市などと連携しながら勧告への対応を検討していくとしています。

「佐渡島の金山」の世界遺産登録をめぐっては、韓国が朝鮮半島出身者が強制労働させられた場所だと主張し、世界文化遺産の推薦に反発してきました。

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