世界文化遺産の登録を目指す『佐渡島の金山』について、ユネスコの諮問機関=イコモスは追加情報の提出を求める「情報照会」の勧告を出しました。
文化庁によりますと、イコモスの勧告の概要は下記の通りです。

【顕著な普遍的価値について】
イコモスは、本推薦資産が、他の地域で機械化が徐々に導入されていた時期に、完成された手作業による採鉱と製錬技術を継続したアジアにおける他に例を見ない事例として世界遺産一覧表への記載を考慮するに値する価値を有すると考える。

【勧告】
イコモスは、「情報照会」を勧告し、以下の点について追加情報を要請する。
・完全性・真実性の条件を満たすために、江戸期より後の証拠が大部分を占める相
川上町の北沢地区(下山之神町・坂下町・北沢町・弥十郎町)を資産範囲から除き、推薦資産の範囲を修正すること。
・構成資産「相川鶴子金銀山」の緩衝地帯を沖合いに拡張させること。
・鉱業権の所有者が、推薦資産又は緩衝地帯の範囲内において商業採掘を再開し
ないという明確な約束を示すこと。

この他、「鉱業採掘が行われていたすべての時期を通じた推薦資産に関する全体の歴史を、現場レベルで包括的に扱う説明・展示戦略を策定し、施設・設備等を整えること」に配慮することなど、8点の追加的勧告もありました。

盛山正仁文部科学大臣はイコモスの評価結果について以下の談話を発表しました。

イコモスからは、「佐渡島の金山」について世界遺産登録を考慮するに値する価値があることは認められました。
その上で、価値をより明確にすることや、保護措置をより強化するための指摘等がなされ、「情報照会」という勧告となりました。
文部科学省としては、勧告を真摯に受け止め、本年7月にインドで開催される世界遺産委員会において登録されることを目指し、今後、速やかに関係省庁、新潟県、佐渡市と連携し、イコモス勧告への対応について検討していきます。

イコモスの勧告には
(1)「登録」
(2)追加の情報の提出を求める「情報照会」
(3)審査を先送りする「登録延期」
(4)「不登録」の4段階があります。

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