1日に飲むお酒の量と健康へのリスクは…
お酒との付き合い方について考えます。

「お酒は楽しい一方で生活習慣病になるリスクを高める」
そう話すのは、アルコール依存症などに詳しい河渡病院(新潟市東区)の若穂囲徹院長です。

河渡病院 若穂囲徹院長
「意外と知られていないのは心臓への負担も大きくて、影響のないところがあまりないぐらい全身にアルコールは悪い影響を与える」

今年2月、厚生労働省が初めて作成した『飲酒ガイドライン』では1日当たりの『純アルコール量』が示されています。

純アルコール量は、お酒に入っているアルコールの量のことで

『酒の量×アルコール度数×0.8(アルコールの比重)』

この3つをかけ合わせると計算できます。

純アルコール量は生活習慣病のリスクを示す基準となっていて、国は1日あたり男性で40g以上、女性で20g以上飲む人を減らすことを目標にしています。

純アルコール量20gはアルコール度数が5%のビールでは500ミリの缶1本、ウイスキーはシングルで2杯。日本酒は1合です。

これに対し街の人は…

―この量、聞くとどうですか?
「結構少ないんだなって思いますね」
「なんか少ないと思っちゃいますね」
「ビール1杯で終わるっていうのは少ないので…」

―日本酒はどれくらい飲む?
「3、4合くらいは飲んじゃうと思いますね」

「1日にビール350ml 1缶なので、ギリギリ大丈夫だなって思っているんですけど、この後飲み会なので、頭におきながら楽しもうかなって思います」

休肝日を設けることやお酒と一緒に水を飲むこと、飲酒前に食事を取ることも健康に配慮した飲み方に繋がります。

河渡病院の若穂囲院長は「飲みすぎた日があったとしても、そのあと休みをとったり、普段の日常生活の中でのお酒をコントロールしておければ問題ないと思う」としています。

一方で、生活習慣病とは別のリスクも指摘します。
『アルコール依存症』です。

河渡病院 若穂囲徹院長
「楽しく飲んでいるという人はほぼいなくて、とにかくつらさとか苦しさを紛らわすためとか、飲まないと耐えられないから飲んでしまうというのが病気の状態」

全国で推定100万人以上いるとも言われる『アルコール依存症』。
お酒に強い人、ストレスや不安を抱えやすい人がなりやすい傾向にあるといいます。

河渡病院 若穂囲徹院長
「薬代わりといいますか、眠れないからお酒の力を借りるとか、寂しいとか悲しいときにお酒で紛らわすとか、そういう飲み方が危険」

飲酒量を明確に把握するために有効な純アルコール量。ただ、お酒を飲むたびに計算するのはちょっと面倒ですよね。そこで注目したいのが…缶の裏側です。

大手ビール会社では、缶ビールや缶酎ハイなどのアルコール飲料に含まれている純アルコール量を商品やホームページに記載しています。

河渡病院 若穂囲徹院長
「現にお酒をたくさん飲んでいる人がいたら、それを半分に減らすだけで間違いなく効果がある。新潟県は米どころ酒どころで県民の生活に深くお酒が浸透しているということで、ゆっくりおいしいお酒を楽しむというのがいいんじゃないかなと」

なお純アルコール量は、1日に飲むお酒の許容量を示すものではありません。
自分に合った飲酒量を決めて、健康に配慮した飲酒を心がけることが大切です。

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