人気漫画「セクシー田中さん」の作者・芦原妃名子さんが亡くなったことを受け、原作漫画の出版元の小学館が調査報告書を公表しました。

芦原妃名子さんの人気漫画『セクシー田中さん』をめぐっては、去年10月から日本テレビでドラマ化しましたが、脚本をめぐってトラブルになり、その後、芦原さん(本名・松本律子さん)が亡くなりました。

この問題では、日本テレビがドラマ化の条件について、芦原さん側との間に認識の齟齬があったとする調査報告書を先月31日に公表しましたが、原作漫画の出版元の小学館も3日、特別調査委員会による報告書を公表しました。

芦原さんはブログで、「ドラマ化するなら『必ず漫画に忠実に』」などを条件としていたと綴っていましたが、小学館の報告書では、日テレが「芦原氏の意向を本件脚本家に伝え、原作者と脚本家との間を調整するという役割を果たしていない可能性がある」としました。そのうえで「日本テレビ側が原作者の意向を代弁した小学館の依頼を素直に受け入れなかったことが第一の問題であるように思われる」などと指摘しました。

また、報告書では、原作にないドラマ終盤の9話、10話のオリジナル部分について、「芦原氏の同意を得られない場合は芦原氏が脚本を書くという条件であった」とし、「日本テレビは承諾しており、これを条件とする契約が成立した」との認識を示しています。

一方で、報告書では、こうした小学館側が提示していた契約の条件は「必ずしも明瞭ではない」と指摘し、調査に対して日テレの担当者は契約条件に関して異なる主張をしているとしています。

打診からドラマ化までに要する適切な期間については、「芦原氏のように原作の世界観の共有を強く求める場合には、本件のように企画打診から半年でのドラマ化は、結果として期間十分とは言えなかったと思われる」と結論づけました。

一方で、放送されたドラマについては、「最終的には芦原氏が納得した脚本が完成した」としています。

小学館は作品を映像化する際の今後の指針として、▼映像化の各段階に適した文書を作成し、作家に逐一確認をとりながら映像制作者側と進めることなどを徹底するとしています。

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