来年の大阪・関西万博で、大阪府が府内の児童・生徒らを無料で招待する事業について、吉村知事は3日、アンケート調査の結果、およそ7割の学校が来場を希望していることを明らかにしました。

 来年の万博では、大阪府は府内の4歳から高校生までを無料招待する予定です。このうち、府内全ての小・中・高校・支援学校に対し、府はバスの割り当てなどの参考とするため、5月末を期限に、来場を「希望する」か「未定・検討中」のいずれかの意向を問うアンケート調査を行いました。

 吉村知事は3日、調査の結果を明らかにしました。

 ●府内の学校約1900校のうち、92%がアンケートに回答
 ●約1900校中約約1390校(約7割)が来場を「希望する」と回答
 ●「未定・検討中」と回答したのは、約350校(約2割)

 結果について、吉村知事は・・・

 (大阪府 吉村洋文知事)
 「まだ情報不十分なところもあるんだけれども、子供たちの見聞の機会を広げる、あるいはここに非常に大きな教育的な意義があるという意味で、これだけ多くの学校が参加の希望をされたというふうに思っています」

 ▼「希望しない」ではなくなぜ「未定・検討中」?・・・アンケートの取り方に府は

 今回のアンケートは、来場を「希望する/希望しない」という選択肢ではなく、「希望する/未定・検討中」という設問になっていました。

 これに対して、教職員組合などは「まるで参加しないといけないような形になっているのでは」と指摘していました。

 府教委は、日程やバスの確保などが決まった後で参加希望を出されても、調整が難しいことから、行けない学校を少なくするためだとし、「他意があるわけではない」としています。そして、今後、未回答や「未定・検討中」と答えた学校に対して、来場についての課題を含めて、意向を改めて聞き取ることにしています。

 ▼”行かない”と全市で表明した自治体も・・・現場から”懸念の声”

 無料招待事業をめぐっては、交野市の山本景市長が、5月24日、市として「学校単位で行かなくてよい」と表明。市内の小中学校の校長らとの意見交換の中で、引率の難しさやバスが確保できる見込みが低いことなどから、「行きたくない」という声が相次いだためだとしています。

 また、3月末に会場のトイレ建設現場で、メタンガスに引火して爆発する事故が起きたことを受け、4月には大阪教職員組合が、府の教育委員会に対し「安全を確認すべきだ」として、招待事業を見送ることなどを求めていて、学校現場の”不安感”は拭えていないのが実情です。

 府教委は、博覧会協会と連携しながら、現場の不安感に真摯に答えていきたいとしています。

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