製造開始から70年以上続くロングセラー商品、石川県七尾市・スギヨの「ビタミンちくわ」。元日の能登半島地震以降、製造を停止していた工場が31日、およそ5か月ぶりに再開されました。

70年以上もの間、食卓に上ってきたビタミンちくわ。スケトウダラなどのすり身にサメの肝油を配合して作られています。七尾市西三階町にあるスギヨの工場は、地震の影響で天井が抜け落ちるなどの大きな被害を受け、これまで生産停止が続いていました。その後、天井の張替えや施設の清掃を終え、31日、ようやく製造ラインが再稼働しました。

スギヨ北陸工場の古川竜太朗工場長は「やっとようやく5か月ぶりに生産再開できて、全国の皆様にちくわを届けられて嬉しい。生産することになって工場の方も活気づいてきた」と話します。

31日は午前8時から作業が始まり、専用の棒に巻き付けられたすり身が、じっくりと焼き上げられていきます。仕上げに油をつけ炎に通せば、こんがり特徴的な焼き色になっていきます。実はこちらのビタミンちくわ、最も食べている消費者は、地元・石川県民ではないんです。

古川工場長は「(最も消費されているのは)長野ですね。おそらく弊社の(ビタミンちくわの)5割から6割が長野に出荷されている。長野県は海のない県。ちくわを食べれば魚と同じ栄養素が取れるビタミンちくわがソウルフード」と話したうえで、「メールやお手紙等で『ビタミンちくわがスーパーに売ってない。早く食べたい』という温かい声援も頂いた」として、今回工場が再開したことに胸をなでおろしています。

ロングセラーのなじみ深い味が、地震の被害を乗り越え再び食卓に。工場再開初日の31日はおよそ10万本が作られ、6月1日に北陸三県や長野県の店頭にお目見えします。

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