J3を戦うアスルクラロ沼津。この日、選手たちはスタジアムまでスーツではなく、デニムを着てやってきました。

<アスルクラロ沼津 伊東輝悦選手>
「オーバーオールとかアメカジとか好きなので大歓迎。スーツを着るよりこっちの方がいい。最初聞いた時は尖がったことするなと思ったが、実際移動着にしてみたら、これはこれで面白いなと思った」

きょうの「しずおか産」は、静岡県の沼津で生まれたオーバーオールです。

創業101年の歴史を持つ「山本被服」です。1000種類以上の企業用ユニホームや作業服を製造・販売しています。

<STAROVERALL開発責任者 富所勢さん>
「アスルクラロ沼津の選手も着用しているオーバーオールも、こちらで作っています」

選手の移動着として提供している「STAROVERALL」。日本最古のデニムなんです。

<STAROVERALL開発責任者 富所勢さん>
「STAROVERALLは戦前の1926年に、東北・北海道の酪農家向けに作業服として販売していた」

山本被服の創業者がアメリカに出稼ぎに行った時、デニムのオーバーオールと出会い、現地でSTAROVERALLの製造を始めました。帰国後、山本被服を立ち上げ、日本でも販売しました。

しかし、戦時中に工場や機械、製品が焼けてしまい、製造は中止に。そして2010年頃、日本最古のデニムを製造していたことを知った社員たちが、復刻プロジェクトを立ち上げました。

<STAROVERALL開発責任者 富所勢さん>
「ただ物がまったく残っていなくて紙パッチ、それから札幌の販売店に残っていた当時の広告に商品の説明、写真も残っていたので、それを拡大コピーしながら形にしていった」

わずかな資料を頼りに作業を進め、プロジェクト開始から約10年後の2021年に復刻。

3本線のラインや胸当てがあり、背当てがないという当時のデザインを再現しました。

そして、山本被服がスーツを提供していたアスルクラロ沼津の選手が移動着としてオーバーオールを着ることになったのです。

<アスルクラロ沼津サポーター>
「選手の公式移動着となってからかっこいいなと思って。他のチームがスーツとかなので、差別化が図れているなと思う」

<アスルクラロ沼津サポーター>
「地元の物を着るのは馴染みやすい。すごく地域密着な感じがする」

今では多くのサポーターも、オーバーオールを愛用しています。

<STAROVERALL開発責任者 富所勢さん>
「サポーターの方もアスルクラロ沼津を応援するためのユニホームという考え方で、選手と同じ格好で盛り立てていこうという風になっているので、すごく嬉しい」

スタジアムにあるSTAROVERALLブースには選手の姿も。

<アスルクラロ沼津 染矢一樹選手>
「僕らはピッチ内外で沼津を盛り上げ、STAROVERALLを着用し、沼津を一緒に盛り上げていきたい」

地元企業と地元のスポーツチームのコラボが、サポーター、地域を盛り上げています。

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