女性ならではの悩み「生理痛」。痛いのは当たり前だからと我慢している人も多いのではないでしょうか。でも実はその痛み「子宮内膜症」という病気のサインかもしれません。

富山市に住む40代女性です。20代の頃からひどい生理痛に悩まされていました。

40代女性:「20歳ぐらいからある日突然痛くなって薬を飲み始めるようになりました。どんな痛みなんですかね。結構ぎゅっ~って下腹部が握られるって言ったらなんですけど、もう本当30歳ぐらいになるときには、3日間ぐらいは痛み止め手放せないっていうぐらいまで痛かったなって」

厚生労働省の調査によりますと、日本では800万人以上の女性が生理に際して日常生活や仕事に支障をきたす状態「月経困難症」であると言われていますが、治療を受けている人はそのうちの1割程度にすぎません。

40代女性:「病院行くほどでもないのかなって。やっぱり痛み止め飲んで治るから、そこでごまかさせれちゃうというか、耐えて耐えて耐えて」

痛いのは「子宮内膜症」のサインかも…

毎年、子宮がん検診を受けていた女性ですが33歳の時にエコーで診てもらった際、卵巣が腫れていると医師から告げられました。

40代女性:「私多分6センチぐらいだったんですよ。(卵巣の)大きさが。先生に(卵巣が)いつ破裂してもおかしくないよって言われたのことがあって、それで思ったよりひどいんだなっていうのがあって、怖いなっていう形でした」

その後詳しく検査をした結果、子宮内膜症と診断されました。生理痛は子宮内膜症のサインだったのです。

女性40代:「結局振り返ってみると、明らかに症状は出てたよねって話で。(生理の時に)お尻がなんか痛くなったりするんですけど、それが激しくなったりとかしてるんですけど、それも気のせいだよみたいな感じで」

子宮内膜が別の場所にできてしまう…

女性クリニックWe!TOYAMA 鮫島梓医師:「子宮の内側のところの膜ですね。厚くなったり薄くなったり、厚くなってはがれて生理として出てくる」

子宮内膜とは子宮の内側にある膜のことで、妊娠した場合に赤ちゃんが育つ場所です。

妊娠が成立しなかった場合、受精卵受け入れのために厚くなった子宮内膜は、子宮からはがれて血液と共に排出されます。それが毎月訪れる生理です。

しかし、この子宮内膜が何らかの理由で別の場所にできてしまう病気が「子宮内膜症」です。子宮の表面や卵巣、他の臓器に流れ出血を起こす場合があります。

子宮以外の臓器には出口がないので、経血がどんどん溜まってのう胞ができ、臓器の炎症や肥大、痛みなどを引き起こすのです。

女性クリニックWe!TOYAMA 鮫島梓医師:「内膜症があるとやっぱかなり痛みが出やすいですよね。お腹の中の環境がやっぱり炎症の高い状態になることが影響して、不妊の原因にもなってきてしまう。ひどいと卵管が塞がってしまうので、そうすると自然妊娠がもう完全に無理」

40代女性は子宮内膜が右の卵巣にできたため、肥大した卵巣内の「のう胞」を取り除く腹腔鏡手術をしました。

原因は月経回数、現代女性はおよそ500回

推定患者数は国内でおよそ260万人の子宮内膜症。生理がある女性の10人に1人が抱え、20代から30代に最も発症しやすいと言われています。なぜ今、子宮内膜症が増えているのでしょうか。

女性クリニック WeTOYAMA 鮫島梓医師:「初経年齢が早まってるっていう影響もあって、本当に昔の人と比べて10倍ぐらい多いんじゃないかっていうふうにも言われてますよね」

昔の女性の生涯の月経回数が50回だったのに対し、現代女性はおよそ500回。

現代は栄養状態が良いことから初潮年齢も早く、また少子化で出産の回数も減っています。月経の回数が増え期間も長くなっているのです。

女性クリニックWe!TOYAMA 鮫島梓医師:「毎月出血が起きてっていうのは、卵巣にとっても排卵するときって卵巣を破って出てくるので、一つ負担はかかってるわけですよね。あとは出血すること自体はいいとは思うんですけれども、ホルモンにずっと同じ状態さらされてるっていうのが子宮内膜症とかの病気が増える。子宮筋腫後は子宮体がんなんかも昔の人と比べると、起こりやすい状況になってます」

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