新潟県魚沼市で、寄生虫(クドア・セプテンプンクタータ)による食中毒が発生していたことがわかりました。ヒラメの刺身を食した11人に、下痢・吐き気・おう吐などの症状があったということですが、全員快方に向かっているということです。

新潟県によりますと、食中毒が発生したのは魚沼市小出島の仕出し料理店です。
24日午後5時半頃に魚沼保健所管内の医療機関から「5月23日に魚沼市内の飲食店を利用して胃腸炎の症状を起こした患者を診察した」などとする連絡が魚沼保健所にありました。

保健所が調べたところ、5月23日にこの飲食店を利用した6グループ27人のうち、2グループ11人に、23日午後11時頃から下痢・吐き気・おう吐などの症状があり、2人の患者の便から、ヒラメに寄生する寄生虫の「クドア・セプテンプンクタータ」が検出されました。

クドア・セプテンプンクタータ(新潟県保健環境科学研究所撮影)

この飲食店では、症状の見られた患者全員が共通してヒラメの刺身を食べていて、店に残っていたヒラメの柵からも「クドア・セプテンプンクタータ」が検出されたことなどから、このヒラメの刺身を原因とする食中毒と断定したということです。

新潟県のまとめでは、このヒラメの刺身は20人に提供され、そのうち40~70歳代の女性11人に食中毒症状があり3人が治療を受けましたが、入院した人はいません。

新潟県によりますと、ヒラメに寄生する「クドア・セプテンプンクタータ」がヒトに寄生することはなく、下痢やおう吐によって体外に排出されるなど、患者は全員快方に向かっているということです。県では、寄生虫クドア・セプテンプンクタータによる食中毒予防についての周知を調理従事者へ徹底することなどの行政指導を行っています。
また、この飲食店は5月24日夕方から29日まで営業を自粛するとともに、適切に原因食品のヒラメの残品を廃棄したことから、これ以上の食中毒の拡大はないとしています。

「クドア・セプテンプンクタータによる食中毒」は、新潟県でも近年では、2014年・2016年・2022年に1件ずつ起きているほか、2023年には全国でも19件発生しています。

『クドア・セプテンプンクタータ』は、ヒラメに寄生することがある寄生虫の一種(粘液胞子虫)で、大きさは10マイクロメートル程度。
(※1マイクロメートルは1000分の1ミリメートルです)
肉眼では見えませんが、この寄生虫が一定量いる原因食品を食べた場合には、食後数時間程度でおう吐や下痢を引き起こしますが、症状は一過性で、他の人にうつることもありません。

新潟県によりますと、流通段階や調理の前に-20°C以下で4時間以上冷凍して締めた後に解凍して食すほか、75°Cで5分間以上加熱することで「クドア・セプテンプンクタータによる食中毒」は予防する事が可能だということです。

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